通訳の仕事について教えてください。

Question

通訳の仕事について教えてください。今中3のものです。
通訳士に興味があり質問させていただきます。

①通訳士に必要なもの
②どうすればなれるか
③通訳士に向いている人とは？
④実際この職はどんな感じか（就いてみての感想）
⑤中3の僕が今すべき事
⑥最後に通訳士になって（通訳士をみて）一言

この6つの質問の回答お願いいたします。

Answer 1

現役の通訳者です。

①通訳者に必要なのは立派な学歴でも誰もがうらやむような職歴ではなく、真に求められているのは【確かな実力】です。
では実力があればそれで十分かと言いますと、それも少し違います。
地道に人脈を広げて行くことで思わぬ方面で仕事が舞い込むことも多いですので、広範囲に誇る人脈も通訳者にとって大切な資質となります。

②前述の通り通訳者に学歴や職歴は一切関係なく、言うなれば【過去の栄光も失敗】もすべてリセットされ、文字通り０からのスタートとなります。
通訳者にとって必要な資質は、

●外国語力
●母語能力
●一般教養
●専門知識

これらすべてがどれひとつとして欠けることなく、ピラミッドの頂点のさらに頭頂部分に位置する程度の実力を最低限でも保有する必要があります。
将来的にそろそろ大丈夫かな…という自信が生まれましたら、通訳学校の門を叩くことをお勧めします。
上記の４項目は独学でも十分身につけられるのですが、通訳技術はすでに専門的な知識を会得している方から学ばないとなかなか独学で身に着けられるものではありません。
一般的ではありませんが、すでに通訳業界でトップクラスの位置で活躍している先生に弟子入りする方法もあります。
語学力など他の資質に自信がないが一日も早く通訳技術を学びたい・通訳技術とその他の資質を並行して身につけたいという場合は、語学系専門学校の通訳コースで学ぶことも得策です。
通訳スクールは働きながら学べるカリキュラムが組まれ、どちらかというと働きながら学ぶことが前提となっています。
対する語学系専門学校は学業がメイン・平日はアルバイトなど短時間就労に限られるというスタイルが一般的ですが、専門卒の学歴と専門士の学位が得られます。
語学系専門学校は入学先を間違わなければ業界との太いパイプを有しているのが特徴で、残念ながら卒業時点で通訳者として必要な資質を満たしていない場合でも関連業界への就職あっせんの実績があり、面倒見が良いのが特徴です。
通訳技術を習得した後は通訳派遣会社の実施する【トライアル】を受験し、合格する必要があります。
トライアル合格後は通訳者名簿に記載され、まずは簡単なレベルの依頼をこなして信頼を実績を築いて少しずつステップアップしていきます。

③とにかくまじめで向上心があり、打たれ強い人！
この一言に尽きますね。
そういう私は不真面目ですし、打たれ弱いです＾＾；
でも、普段はヘタレでも不真面目でも何でも良いんです、いざという時に実力を発揮できれば。
（いや、もちろん普段から真面目で向上心があり撃たれ強い人は理想ですよ！
ただ、普段から型通りにはまって人ほど挫折で心が折れちゃったりしますから、普段はゆる～くで問題ないです）
後は、人づきあいが得意なことも重要です。
私のように根暗で人見知りがひどく人づきあい自体が苦手で億劫という人でも問題ないですが、ここぞというときは社交性を発揮できないと通訳者は務まりません。
要は、オン・オフの切り替えが誰に言われるでもなしにちゃんとできればＯＫです＾＾

④安定した依頼と収入を獲得できる通訳者は一握りなので、副業を持っている方が本当に多いです。
通訳・翻訳者の７割が女性という統計もあり、私が知る範囲では女性比率が圧倒的に高いです。
日本には男性は堅実に働いて家族を養うのが一般的という風潮があり、そのため通訳業界に男性が少ないのですが…
だからといって性別を理由に優遇されたり逆に差別されたりするようなことは一切ありませんので、その点は安心していただければと思います。

⑤通訳者にはいくつになってでも挑戦できますし、通訳者になるための勉強も何歳になったって挑戦できます。
ただ、中学校・高校生活は人生という長いスパンで見たときにほんのわずかな時間…
思う存分中学・高校生活を堪能しておかないと、後で絶対に後悔します！←私がその生き証人です。
大学は少し事情が異なり、それこそ社会人を経験してからでもいつでも舞い戻ることができるのですが…
中学・高校は社会人になってまたあの瞬間に戻ろうと思い立っても事情が許しませんので、後悔のないように【今を生きる】が大切です。
おうちのお手伝いも積極的にして、いろいろな経験を積みましょう。
自分の心の引き出しの中にいろいろな物事や経験をストックしておくと、将来的に必ず役に立ちます。

⑥このお仕事は非常にやりがいがありますが、内部事情は傍から見るほど華やかでもなければ楽でもありません。
決して楽ではありませんが、楽しいことには間違いありません。
男性の場合は物理的な事情で一生の仕事として続けることは少し難しいと思いますが、軌道に乗せることができれば後はこっちのものです。
生涯勉強あるのみという仕事ですので、ゴールも及第点も存在しないのが楽しくもあり苦しくもある点です＾＾：

道は険しく長いですが、どうぞ頑張ってください。
影ながら応援しています。