解決済み
「官僚」の定義とは何ですか? 自分は、国家公務員総合職で省庁に採用された職員のことを指すと思っていました。しかし、「高級官僚」や「キャリア官僚」という用語があるくらいですので、対義語である一般官僚やノンキャリア官僚に該当する存在もあるはずです。 ということは、「官僚」というのは国家公務員総合職と一般職で採用された職員(海上保安官や自衛官を除く)を指すという認識で良いのでしょうか?
過去の知恵袋やネットなどを検索すると、「官僚は国家公務員全体を指す」という回答がありました。 この説明ですと、地方の出先機関の職員や自衛官や海上保安官、刑務官、皇宮護衛官なども官僚ということになってしまいます。 法律で官僚の定義が決まっているわけではないというのは知っていますが、とは言っても慣用的には定義があるはずです。 一般的な定義として、官僚とはどこまでの範囲を指すのでしょうか?
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>官僚の定義が決まっているわけではないというのは知っていますが →と記載されているとおりですので、広義から狭義まであります。 最も狭義なのは、①東大文科一類出身で国家総合職の法律で入省した人 次に、②国家総合職の法律で入省した人 その次は、③国家総合職で入省した事務官 その次は、④国家総合職または相当枠で入省した人(総合職技官、医系技官など含む) その次は、⑤国家総合職(相当枠含む)に加え、国家一般職(相当枠含む)で入省した人で中央官庁勤務の人 その次は、⑥国家総合職(相当枠含む)に加えて、国家一般職(相当枠)や各省庁採用の国家公務員(海上保安官や自衛官など)で中央官庁勤務の人 最も広義なのは、⑦国家総合職(相当枠含む)、国家一般職(相当枠含む)、各省庁採用の国家公務員全員→つまり国家公務員全員 です。 ①〜④は、キャリア官僚の定義でもあります。 一般にはキャリア官僚の定義は④のことが多いですが、差別化をさらに図りたい人は①〜③の定義を用いる人もいます。 一言でいうと、自分が該当する都合のよいラインを使いたがるということです。 東大法学部卒ではないし法律区分ではないけど、総合職事務官で採用されたら「技官はキャリアとは言わないな(つまり③)」とか、東大ではないが法律区分で入れたなら「やっぱりキャリアというのは法律採用を指すんだよ(つまり②)」みたいな… それはおいといて、この④を官僚の定義とする意見はそれなりに市民権を得ています。 ただしその場合、「〇〇省の△△室長は、前任者は総合職採用だから官僚だったが、後任者は一般職採用だから官僚ではない」などという事象が起こります。同じ職につく公務員なのに、官僚と言われたり官僚ではないと言われたり…これは複雑怪奇です。 それで、⑤の考えも出てきます。 国家公務員のうち、中央官庁勤務の国家公務員が官僚なんだ。 これも受け入れやすいですね。 ただし、これも、では中央官庁から地方支分部局に異動し、2年後にまた中央に異動し、また2年後に地方に行くと、同じ人なのに官僚であったり官僚でなかったりします。 これも、わからないではないですが、変に感じる人もいて、こういうケースまで考えると、国家公務員はみんな官僚だよね、とシンプルに考える考え方もある、というわけです。 海上保安官にしても、海上保安庁のトップである海上保安庁長官には、総合職採用の人が就くこともあれば、海上保安官が就くこともあります。長官は超高級官僚に分類されて良いと思いますが、こうしたことを考えたら海上保安官も高級官僚ポストに就くわけですし、防衛省トップは大臣等を除くと事務次官と統合幕僚長が同列1位で、それぞれ総合職採用と自衛官が棲み分けてます。昔から陸軍省や海軍省勤務の長い軍人を軍人官僚とも言ったぐらいですから、やはり官僚的ポストに就く自衛官も少なくないです。古くは明治維新前の時代から、大納言や少納言、参議などとともに、左右の近衛大将なども朝廷の高級官職でしたから、そうした歴史を踏まえても、最も広義には全ての国家公務員が官僚ということも多分に道理があります。 繰り返しになりますが、その他に、特にキャリア官僚にスポットをあてた④と働く場所にスポットをあてた⑤も、よく官僚のイメージとして用いられる概念です。
官僚とは、組織の歯車になって 前例主義でずーと生きていく人たち。 世界の 新しいこと、異質なこと、革新的なことを 一切否定し、 自分の個性をつぶして 誰かの築いたレール、 あらかじめ決められたレールのみ歩んでいく。 自分の頭で考えることはできず 自分で 無から有を生み出そうとする 気持ちなんて一切ない。 まさに アントレプレナー、ベンチャー経営者の思考とは 対極の存在である。 そんな記事がある。 ↓ 「頭がいい人」ほど前例にとらわれる当然の事情、 「失われた30年」にもつながっている明治時代の官僚システム 5/23(木) 13:02配信 東洋経済オンライン 明治時代の官僚システムの弊害が、現在にも及んでいるという (写真:EKAKI/PIXTA) 今の日本で「頭がいい人」と思われているのは どんな人々でしょうか。 高偏差値の大学を優秀な成績で卒業した政治家や官僚、 あるいは経営者などが頭に浮かぶかもしれません。 ですが、生物学者の池田清彦氏は、そうした人々が 政治や経済を主導してきた結果が、 現在の日本の凋落につながっていると指摘します。 「頭がいい」という人に見られがちな問題点と誤解について、 池田氏の著書『「頭がいい」に騙されるな』から、 一部抜粋・編集して解説します。 ■「平均的な労働者」という呪縛 第二次世界大戦後のしばらくは 高度成長でうまくやることのできた日本が、 凋落を始めたのは1990年代以降のことである。 1960年代から80年代くらいまでの世界の産業は 工業生産が中心で なるべく安く大量に生産するというのが 儲けるための最適なやり方とされていた。 そして日本人はこのような種類の仕事にすごく適していた。 日本人が画一的な工業労働に向いているのは、 教育によるところが大きい。 みんな横並びで、上の言うことを聞いて、 同じくらいの技量の人間を揃えて一斉に仕事をする。 そのときに全体から突出した人間は不要だから、 そういう人間は頭を叩いて押さえつけ、勝手なことはやらせない。 仕事のできない人については レベルを引っ張り上げようとはするのだけれど、 それでもダメだったら切り捨てていく。 そうすることで、大企業の工場で働いているような人たちの スキルは同レベルになり、安定した工業生産ができるようになった。 こういったやり方が もっともコストパフォーマンスがいいということで、 1960年代あたりから全国的に行われるようになり、 1980年代の終わりぐらいまでは、 この思考とやり方でうまくいっていた。 この時期の日本は、家電や自動車などの製造販売によって 世界を席巻し、戦後焼け野原だった日本の国民総生産(GNP)は、 1968年に世界2位まで躍進した。 ところが1980年代の終わりから1990年に入った頃になると だんだんこういうやり方では立ち行かなくなってきた。 平均的な労働者を育てることばかりを優先してきたせいで アメリカのようにイノベーションを起こすことのできる 天才的人材を育てようとしなかったことが その大きな原因だ。 ■明治維新が生んだ官僚的エリート 平均的な労働者を育てるというのは戦後からの話ではなく 明治の頃からずっと続いてきたものである。 江戸時代の終わりに革命のようなもの(明治維新)が起きて その時には優秀な人間がたくさんいた。 しかし、すごく特殊な才能があったがゆえに 敵対勢力から目を付けられて、 失脚させられたり、殺されたりしていった。 そうして割と官僚的な人間たちが 明治維新を生き伸びることになった。 そういう人たちが明治以降の日本をつくってきたわけである。 官僚的な人間たちは自分たちと同じような人材を育成するために 帝国大学や陸軍士官学校、海軍兵学校などのエリート養成学校を つくった。 だが日清戦争や日露戦争で活躍した将官というのは 帝国大学や陸軍士官学校などの出身でもなんでもない。 日露戦争でバルチック艦隊を破った東郷平八郎は 薩摩藩士として育ち、自ら望んでイギリス留学をするなかで 自分で考えた戦術で戦果を挙げていた。 同じく日露戦争の旅順攻略を果たした乃木希典も 萩の藩校に学んだだけで、実戦のなかで頭角を現していった。 明治時代には まだそういう人材がトップに立つ素地があったため、 自分で考えた天才的なやり方で戦うことができた。 そもそも日本にとって当時、 戦争での戦い方の「前例」がなかったわけだから、 自分の考えでやるしかなかった。 それで日清戦争や日露戦争を戦ったわけだ。 それが明治の終わり頃になって教育がシステム化されてくると これは今と同じで、 学校での成績に優れた「頭のいい」秀才が 政治でも軍隊でも中心を担うようになってきた。 当然、帝国大学のトップになる人間というのは 受験や学内の試験を勝ち抜いてきたエリートであり 陸軍士官学校や海軍兵学校もこれは同じだろう。 ■典型的な「秀才のトップ」東條英機 このような秀才たちは自分が試行錯誤をして 何かを成し遂げて、その地位を手に入れたわけではないため、 学校で学んだことに忠実になる。 そういう人間がトップに立つということが 明治時代の終わり頃からずっと続いたことで、 第二次世界大戦が始まる頃には、 以前のように実戦のなかで鍛え、 自分で考えて道を切り拓いてきたような人物は ほとんどいなくなっていた。 そうすると上に立つ人の言うことをよく聞いて、 試験勉強の成績がいい秀才がトップに立つことになる。 その典型が陸軍士官学校出身の東條英機だ。 改めて指導者としての東條の実績を見てみると、 たいていの場合は調停役を務めるばかりで、 何か独自に発案し決行するということがほとんどない。 秀才タイプの人間は 前例のあることならば前例にならってうまく対応できるが、 前例がないことが起きたときには どうしようもなくなってしまうのだ。 これは今の日本とまったく同じで、 前例のない未曾有の事態を迎えたときに どのように対処するべきか、 創造的な手段を考えつくことができない。 試験での正解ばかりを追求してきたから、 どうしても前例主義に陥ってしまう。 そうして敗戦となった日本は、 戦争という行為への反省こそ口にすることはあっても、 教育については教育勅語こそ廃止したが 試験を優先する人材育成のシステム自体への反省は 一切なく、明治から続いているやり方を令和の今も続けている。 ■優秀な子供たちが海外の大学へ 日本が凋落した最大の原因は、横並び主義で、 ちょっと変わった、才能のある人間の頭を 叩いて潰してきたことだ と、私は考えている。 ある意味で 特殊な人間を引き立てる思考や組織のシステムがあれば “失われた30年”はなかったかもしれない。 みんなが同じことをやっているなかで、 一部の特殊な人間が GAFAM的なものを生み出していた可能性はあっただろう。 しかし今ではそういう才能ある人たちは、 もう日本にいても仕方がないと考え、 外国へ逃げてしまう傾向が顕著だ。 だから、日本はますますダメになってしまう可能性が高い。 ここから再建するとなると、なかなか難しいと言わざるを得ない。 私立の偏差値の高い中学や高校では、 東京大学や京都大学、早稲田、慶應 という国内の“一流大学”を狙わないで、 2024年度世界大学ランキングの「トップ3」 (オックスフォード大学=英、スタンフォード大学、 マサチューセッツ工科大学=ともに米)や、 アメリカの東部のエリート大学とされる「アイビーリーグ」 (ブラウン大学、コロンビア大学、コーネル大学、ダートマス大学、 ハーバード大学、ペンシルベニア大学、プリンストン大学、 イェール大学)など、海外の大学への進学を狙う生徒も 増えてきているようだ。 ■東大や京大でも「仕方がない」 渋谷教育学園幕張(千葉県)のような国内トップクラスの進学校では 海外の大学への進学を目指す成績上位の生徒を対象にした 特別なサポートシステムを組んだりもしている。 子供の将来のために 海外の一流大学へ行かせたいという親も増えている。 しかし、今の円安状況では海外への進学は学費も生活費も大変だから 「世界ランク29位の東大や、同55位の京大でも仕方がないか」 というようなことにもなっているようだ。 もちろん今はまだ、 そういう親が極端に増えているということでもない。 しかし現在の日本の凋落傾向が続くようだと、 近い将来に優秀な学生たちは 皆、日本から逃げて行ってしまうかもしれない。 海外の大学へ進学したからといって、成功するかどうかは わからないけれど、 優秀な人材がこぞって海外へ行くことになれば、 日本の未来が危うくなることは間違いないだろう。 池田 清彦 :生物学者 https://news.yahoo.co.jp/articles/f6a5fca00b9b38466a215f7845c05eb7b9ae3d13
感覚的には、「官僚」は本府省に勤務する国家公務員全般を指す印象ですね。 地方支分部局勤務だと、政策立案というより政策実施に近いのでちょっと違う印象でしょうか。 「キャリア官僚」については、キャリア官僚のエリート度に関する質問主意書(平成十五年四月八日提出 質問第五〇号)の答弁書(平成十五年六月二十七日受領 答弁第五〇号/内閣衆質一五六第五〇号平成十五年六月二十七日)で興味深いやり取りがあります。 省庁別のキャリア官僚の占める割合を問う質問に対して、『「キャリア官僚」が具体的にどのような職員を指すのかが必ずしも明らかではない』としつつもが、国家公務員採用Ⅰ種試験等(※)により採用された者の割合を示しています。 内閣法制局審査・閣議決定を受けていることを考えると、これがキャリア官僚の語に対する公式見解と言えるかもしれません。 ※…国家公務員採用Ⅰ種試験、外務公務員採用Ⅰ種試験、国家公務員採用上級甲種試験、外務公務員採用上級試験、青少年矯正職員・保護観察職員採用上級試験、国立学校図書専門職員採用上級甲種試験等の国家公務員採用Ⅰ種試験相当のもの、防衛庁職員採用Ⅰ種試験、防衛庁職員採用上級甲種試験を含む
本来の意味は行政における官職全般を指す言葉で、どういう経緯でそのポジションに就いたかは関係なく、なので首相以下・国務大臣も含んで官僚というし、実際大日本帝国憲法下ではそう呼んでいた。 ただ、現在は国会議員の場合は「政治家」とよんで官僚には含めないという習慣的な呼び方をしているとは思う。
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