まず理系で国公立を選ばない理由はありませんよ まず 国公立と私立ではまず設備にかけられるお金が違います(これは学費とかじゃなくて) 「一人あたりにかけられる費用が違う」 これは非常に深刻な問題です。 費用が違うと、一人当たりの教員数、機材数、学習スペースに差が出てきます。 まずは一人当たりの教員数。 理系で独学で卒論が書ける人はいません。 もし書けたとしてもそれではわざわざ大学に来ている意味がありませんよね。たしかに独学で学べることもありますが、人に教わることでより多くのことをできるようにするのが正しい大学生だと思います。 特に専門性が上がると、世の中に日本語の教科書が存在しない分野が出てきます。 そういったことは英語の論文を読むか、詳しい先生や先輩に聞くことになりますが、人に日本語で教えてもらった方が楽に早く理解できます(英語で情報を集める能力も重要なスキルですが)。 理系文系含めた学生数になりますが、各大学の学生数に対する教師数を比較すると、東大が一番多くて4人に対して1人。 そのほかの国立大学は5人から15人に一人って感じです。 対して私立大学は早稲田大学が30人に一人、明治大学が32人に一人って感じです。 GMARCHでくくられる大学はだいたい30から40人くらいでした。 まぁ、これを見る限り私立と国立では教員の数に2~10倍の差があるわけです。 特に研究室単位では国立大学ではだいたい教員一人に対して3人程度の卒研性がついて卒論を書くのに対して、私立では10人を超えることもあります。 生徒をたくさん抱えた先生は大変です。 本音は自分の研究を進めたいのに、卒研性のために大量のテーマと実験課題を用意しなくてはなりません。 自主的に研究を進められる学生ばかりならそれでうまくいくかもしれませんが、実際は一から十まで指示を出さないと動かない学生もいます。 そうなってくると、卒論の内容を薄くしたり、本当は一人で進めるテーマを分割して複数の学生にあたらせたり、はたまた前年度のデータを使いまわしたりしなくてはならなくなるのです。 これでは学生一人当たりの経験量、というか学んだ事も減ってしまいます。 私立の方が高い学費を払わなければいけないのに国公立の方が環境が良いのです 次に機材数の話。 理系は道具がないとやっていけません。 昔の法則や定理は紙と鉛筆を使って発見されました。 でも今は理論系の研究室でも高性能なコンピュータがあって、ノーベル賞はモニターの画面から生み出されます。 研究室内にどれだけ高度なシミュレーションが可能なコンピュータがあるかでその研究の進行スピードは決まります。 現在は大学院で人工知能のモデルを動かしてますが、ー度動かすだけで一日以上かかることがあるのでコンピュータの処理能力=研究スピードという感じです。 専攻している半導体の分野は特に道具ありきなところがあって、「この設備があればこの実験ができる」、「この機器があればもっと正確な値が出る」実験の内容は道具で決まります。 どんないいアイディアがあったとしても、それを実行できる道具がなければ実現できないのです。 しかも、半導体の加工機材は一台で一億円を超えるものもあるのでそうそう買えるものではないです。 そんな高価な機材を卒論や修論、学会発表のために何台も使うので、一研究室では到底そろえることができません。 ですから、どこの大学でも高価な加工機器は共用ということになります(実験はお金を出して企業に委託というパターンもあります)。 そこで問題になるのが使いたいときに使えるかということです。 輪講発表(研究室や学科単位での進捗状況の発表会)前や卒研を書き始める時期に急きょ実験する必要が出てきたということはよくある話ですが、その時使いたい機材が1週間待ちの状態じゃ実験が進まないです。 それに、機材の操作方法も複雑なので学生が多いと教育しきれないという問題も出てきます。 最後に学習スペース。 確かに私立の方が設備はきれいです。 ここ数年都心には立派な私立大学のキャンパスが続々立ちました。 確かに立派な校舎へのアプローチを見るとあこがれてしまいますよね。 でも、重要なのは門構えがかっこいいとかトイレがきれいとかじゃなくて、テスト前に占領できる机が学校にあるかなんです。 忘れちゃいけないのが私立の方が学生数が多いこと。 同じ学部数の大学だったら私立の方が3倍から4倍学生を抱えています。 でも、授業の合間に作業ができるノマドスペースが3倍4倍あるというわけではないのです。 自習スペースがないと空き時間やテスト前に自習室難民になってしまいます。 学生数が多いことはメリットか? よく、私立大学の広告で大勢学生を抱えていることをうたったものがあります。 でも学生数が多いことはメリットなのでしょうか。確かに学生が多いとスポーツは必然的に強くなりますし、著名な卒業生も増えます。 お正月にやっている駅伝の出場校を見るとどこも私立ですよね(たまに筑波大学が入ってますがあそこは例外です)。 母校が出ている人はアレを見ると誇らしい気持ちになるそうですが、一年に一回だけの話で、自分自身に帰ってくるメリットはありません。 むしろ選手の強化に使っているお金を一般の学生の学費に当ててほしい。 全体的に活躍している学生が多い印象がして魅力的に感じるかもしれません。でもその大学であなたが活躍しなければ意味がないのです。 そして、学生数が増えればライバルも増えます。 例えば、行政のプロジェクトで海外に生徒を派遣するというものがあるとします。 その場合渡航費や現地での滞在費に補助金が出るなど何かとお得なことが多いのですが、各大学にはよく”1大学につき5名学生を派遣してください”というように通知が来るのです。 この時、学生数が多いと応募者も増えてその権利を得る可能性は下がりますが、学生数が少ない大学だと選考とかも特になく希望すれば行けるということになります。 就職する企業は大きい方がいいかもしれません。 でも入学する大学は大きいからいいとは言えません。
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