解決済み
行政書士試験の過去問で質問です。 まずは、H17の不動産と登記に関する問題と解説。Q) Aの所有する甲土地につきAがBに売却し、Bはその後10年以上占有し現在に至るが、Bの占有開始後5年目にAが甲土地をCに売却した場合に、BはCに対して登記をしないと時効による所有権の取得を対抗できない。 A) × 解説:時効取得の対象は永続する事実状態の尊重の趣旨により「自己物でもよい」と解されており「Bも取得時効を援用できる」(最判昭47.7.21)。また時効取得者は時効完成『前』の譲受人に対して所有権の取得を対抗するために「登記を必要としない」(最判昭41.11.22)。よって、時効取得者であるBは、時効完成前にAから譲り受けたCに対して、「登記をしないと時効による所有権の取得を対抗できない」という点が誤りである。 質問1)「AがBに売却してるのに、さらに5年後にAがCに売却した」とはどういうことですか?こんな二重売買は実際にが成立しますか?こういうパターンは問題に結構出てきますが、実際にこんなことがあるのかな?と考えながら問題を解いています。AはBに売却の時点で当該土地については無関係、部外者だと思いますが。 質問2)BはAから甲土地を買っているのに、なぜここで取得時効が出てくるのですか?Bは買った時点で取得しているのだから取得時効を援用する意味がわかりません。 質問3)以上2点がわからないので(最判昭41.11.22)の判例についても、もしCがBの時効完成『後』(10年以上経過後)の譲受人で、さらにBが登記を備えてなければ、甲土地はCのものになってしまうのでしょうか? 以上、詳しい方のご教示を宜しくお願い致します。
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質問1)普通は売買と同時に移転登記もするので、実際にこのようなケースはまれだと思います。しかし、登記は対抗要件であり、義務ではありませんので、理論上はあり得ます。理論上あり得るものであれば、試験問題として成り立ちます。試験問題というのは、そういうものです。 買ってすぐに対抗要件を備えなかったBが悪いのだと考えれば良いと思います。もちろん、BはAに債務不履行や不法行為による損害賠償請求をすることができます。また、Aには刑法の横領罪も成立します。 質問2)177条により、BはCに対抗できません。したがって、取得時効を援用しないとCに勝てません。取得時効の趣旨は永続した事実状態の尊重ですから、自己物でも他人物でも長い期間占有しているという事実は変わりませんので、その事実を尊重しようというものです。 質問3)Cは時効完成後の第三者ということになり、質問1)の場合と同様、先に登記を備えたCが勝ちます。Bは、時効完成後すぐに援用して登記を備えることができたのに、それをしなかったのが悪いと考えれば良いと思います。
なるほど:1
質問1) 不完全物権変動説というのですが、Bが登記していない以上、Bは完全な所有権を取得していない。Aは無権利者ではなくCへ譲渡できる物権が残っているという考え方です。 こうしないと、A所有のままの登記簿を信頼したCがかわいそうだからです。 このような事例はそこまで多いわけではないです。刑法上は横領罪ですからね。 質問2) BはAから購入したものの登記をしていません。 ですから、購入したと主張するには登記が必要なんです。 そこで、10年が経過したから時効取得したと主張するわけです。時効取得の場合は、時効完成前のCに対して登記なくして対抗できるからです。 Bが登記していれば全く問題ないんですがね・・・ 質問3) この場合はBは登記をしないと対抗できません。 ですから、BとCのどちらが先に登記をするかが重要になります。
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