中部大の応用生物学部は、中部大が総合大学として発展していくなかで、「工学部に次ぐ第2の理系学部」ということで、名古屋大農学部教授で名古屋大副学長であった山下興亜氏、東京大農学部の野口忠氏が中心になって、「農学部をベースにした新しい学部」から考え始めて設置したものです http://stu.isc.chubu.ac.jp/bio/public/ann_rep_res_inst_biol_funct/annual-report_v14_supplement/pdf/001.pdf 同時期、日本政府は「バイオテクノロジー戦略大綱」を策定します https://www.kantei.go.jp/jp/singi/bt/kettei/021206/taikou.html この大綱には、「BT(バイオテクノロジー)は21世紀の人間の生活に巨大な変革をもたらす」「BTを巡る国家間競争はますます激化している」「BTの国民経済へのインパクトは極めて大きい」などと書かれており、国家戦略的にもバイオ技術者の育成が大きな課題でした バイオサイエンスの根底は農学部が扱っていた農芸化学ですから、「農学部をベースにした新しい学部」は「バイオの世紀」という潮流を反映させた「応用生物学部」としてスタートしたわけです (同時期、名古屋大との繋がりが強い岐阜大も、農学部を応用生物科学部に改組します) 既に述べたとおり、バイオテクノロジーは「国家戦略」として重要な産業です 2019年には日本政府が11年ぶりに「バイオ戦略」を策定しており、依然として日本政府はバイオテクノロジーを重視していますし、バイオ技術者の育成は国家的に重要です https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/061800460/ なお、中部大 応用生物学部は附属農場、温室、畜肉加工などが可能な食品加工施設などが整備され、キャンパスの森が実習の場として使われ、全国農学系学部長会議に学部長が参加し、高校農業科の免許も取得できるなど、「農学部らしさ」もきちんとあります * 中部大応用生物学部は、河合塾によると、学問系統「農」に分類される私立大学の学科としては、獣医を除くと、明治大、法政大、名城大に次ぐ難易度です 伝統校である東京農業大や日本大、近畿大などの有力大学にも並んでいますので、優秀な学生が集まっているものと思われます 東海3県には農学部が、名古屋大、岐阜大、三重大、名城大、中部大の5校しかありませんから、国立大学農学部の併願校として受験した学生も少なくないかと思います 農学部での学びは農業、食品、製薬、医療、化粧品、環境、土木、公務員など幅広い分野で応用できますから、中部大応用生物学部から、資生堂、キユーピー、山崎製パンのような全国区有名企業のほか、敷島製パンやフジパングループ本社など地元の手堅い優良企業への就職実績が多数あります 特に全国区の大企業は文系学生ならば早慶やMARCHのような難関大学の学生も多数受験しますので、文系からの就職は簡単ではないでしょう したがって、応用生物学部での学びが産業界においても評価されているということだと思います また、大学通信によれば、中部大 応用生物学部は、私立大学農学系学部で1位の実就職率です https://univ-online.com/article/ranking/15248/ 就職の「質」のみならず「量」の面でも実績を挙げています * 「ピペット土方」(ピペド、PD)のようなネガティブなワードもありますが、これは基本的に生命科学系研究者の話です 必ずしも全員が専門性を活かせる職業に就いているわけではないというのは日本の農学部全体の悩みですが、農業、食品、製薬、環境などの分野は人の生活に欠かせない産業であり、地元中部地方にも関連企業が多数あります いずれにしても、社会人として最も重要なのは個人の能力です。大学名ではありません 東洋経済オンラインの記事においても「理系では学生の専門性が重視される」と書かれているとおりで、技術者としての基礎がきちんと身についているか否かが理系では極めて重要です あとは「自分との戦い」ですので、頑張ってください
なるほど:8
< 質問に関する求人 >
理系(東京都)この条件の求人をもっと見る
求人の検索結果を見る
< いつもと違うしごとも見てみませんか? >
覆面調査に関する求人(東京都)この条件の求人をもっと見る