おおむね理学は下肢を中心とした基本動作のリハビリ、作業は上肢を中心とした日常生活動作のリハビリです。 作業だけの独占分野として精神科のリハビリがあります。 働くステージによって若干業務が異なります。 急性期病院では対象患者の疾患部位が明確ですので、両者の仕事も分かれています。 上肢や日常生活動作は作業、下肢と基本動作は理学がメインで介入します。 作業は色々な面でどうしても弱いので、業務量は少ないです。 回復期病院の場合は1人の患者に両者が介入します。 ですので、下肢の疾患でも両者が介入します。 脳血管疾患などは両者がメインとなります。 それ以降の維持期だったり介護保険分野は、ただの体操のようなことしかしていませんので、どちらも同じことをしています。 場末の職場に行くほど両者の差はなくなります。 理学療法士は国会議員が一人もいませんが、作業療法士は一人います。
下肢は理学療法士、上肢は作業療法士と答える人(大多数の現役含む)がいますが、それは大きな間違いです。理学療法士が手指巧緻動作練習を行っていいし、作業療法士が歩行練習を行ってもかまいません。 また、医療と介護保険下で分けて考えなければなりません。 医療保険下においてのリハビリ 骨折等の整形外科的疾患から脳梗塞/出血などの中枢系疾患、施設によっては呼吸器疾患、心臓等循環器系の疾患を扱う事があります。 理学/作業療法の明確な職域はなく、施設によっては上肢は作業療法士、下肢・体幹は理学療法士と分けられたり、職場への移動手段確立を希望している患者は理学療法士、デスクワーク等上肢を多用する職場復帰デスクワーク等を希望している患者は作業療法士が行ったりします。いずれにしても原疾患に伴う症状により割り振られるのが普通です。 しかし、中小医療機関などは、作業療法士が在籍していない職場は未だ多く、場合によっては理学療法士が基本動作から応用動作まで指導する必要があります。よって、理学療法士は上下肢体幹にかかわらずオールマイティーにこなせなけばなりません。逆に、理学療法士が在籍していないところはないと思うので(全くないとは言いません)、作業療法士の場合は上記スキルを必要とすることはないでしょう。 そして介護保険下でのリハビリです。 医療保険でのリハビリは原疾患に対するリハビリなのである程度道筋が見えているのでやることははっきりしています。しかし、介護保険下では疾患に対するアプローチではなく、利用者の身体、生活状況にアプローチしなければなりません。つまり、セラピストのセンス如何によっては有意義にも無意味にもなり得ます。そのため、医療保険下以上に職域の差はありません。 利用者が明確に下肢のリハビリ、上肢のリハビリの希望を出せばそれぞれ理学療法士、作業療法士を割り得てるのですが、実際にはそのような場面はほとんどありません。ケアマネから、「運動しないと寝たきりになってしまいますよ」といわれて半強制的に来ている人がほとんど。したがって、理学/作業療法士ともに同じような事を行っているのが現状です。理学/作業療法士間でコンセンサスをとれればいいのですが残念ながらそうはいきません。
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