元新聞記者で、サツ回り経験が長かった俺の思い出話。 所轄の課長(制服勤務する「地域課」「交通課」)は普段付けてないから、警部からかな。交番・駐在所に勤務するのは、そのひとつ下の警部補までだから、少なくともそこまでは付けている。 地域課長が外回りするのは、交番・駐在所の巡視がメインだから、部下が運転する白黒パトの後部座席にふんぞり返ってるだけ。そういう場合でも、装備は付けてなかったと思う。 交通課長は、交通安全週間の初日などにはアリバイ作りのために取り締まり現場に姿を現すが、けん銃は持ってなかった。手錠、警棒がどうだったのか覚えていない。 毎年12月になると、繁華街を中心に、歳末防犯パトロールってのをやるのよ。警察と地域の防犯協会が合同で。そして、これも初日だけは署長が陣頭指揮を取って、地元メディアのカメラに収まる。 ある県庁所在地の大規模署で、署長(警視正)が旧式のけん銃(ニューナンブ)をホルスターから取り出し、「ほら、撃つぞ。写真、撮れ撮れ!」とうれしそうに俺たちに銃口を向けてきたのには閉口した。弾丸が込められていたのかどうかは分からん。 田舎の所轄で、庁舎の一番端に「刑事一課」があったんだけど、万が一の外部からの襲撃に備え、課長席の引き出しに1丁だけ、署のけん銃保管庫に戻さず隠していた。課長(警部)のけん銃なのかどうかは知らない。 警察本部では、警部はまだ係長クラスだから、フル装備の機会は多い。制服勤務ではないが、機動捜査隊の係長は「現場回り」なので、覆面パト(捜査車両)に乗って巡回している際も、装備は付けているはずだ。 俺たちが所属する記者クラブの面倒を見てくれる(よけいな記事を書かないよう監視している)広報室の係長(警部)は、まれに回ってくる夜勤当番の際は制服勤務(ふだんは私服)で、よくフル装備で、朝刊対応中の記者クラブにさぼりに来ていた。 「係長~。ちょっとピストル触らせてよ~」 「そんなことしたら、もうみなさんとは会えなくなってしまいます」 というやり取りが定番だった。 そういうわけで、所轄ではおおむね警部から、本部ではおおむね警視からって感じかな。 それで思い出したけど、1990年代のオウム真理教事件の際、警視庁はじめ都市部を管内に持つ全国の警察本部では、「24時間けん銃装備」体制が敷かれていた。非番中も自宅で寝るときも、管理職から所轄の末端まで、キャリアもノンキャリも区別なく。そういう非常事態時には、警視正クラスでもフル装備なんじゃないかな。 もちろん、年齢には関係ないよ。定年前のよぼよぼ59歳巡査長(昇任試験に一度も合格していない)でも、交番・駐在所勤務ならけん銃は持たされてる。かえって危ないよね。認知症一歩手前のよぼよぼじいさんに飛び道具持たせちゃ。
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