日本に近代法制が作られた時に、その制度を支える3つの仕事ということで代言人・代書人・証書人というのが作られました。 代言人とは今日の弁護士。 証書人とは今日の公証人。 他の多くの士業は代書人からの枝分かれです。 ですから、司法書士も、税理士も、海事代理士も、社会保険労務士も、弁理士も、代書屋と言えば代書屋です。 行政書士とどこが違うかと言えば、行政書士以外のこれら士業は、本人以外が作成する場合、たとえ無料であっても無資格者が代理作成してはいけない、という書面があることです。 司法書士が登記申請書類および裁判所提出書類、税理士が税務申請書類、みたいな感じですね。 元々、代書人というひとつの職業の中で、法的重要性が高いので書けと言われればチラシでも書くような「字が書ける」というだけが売りの代書人に任せておくのは危なっかしいなあ、というものが試験を設けて専門の代書人として書くようになっていったわけです。 重要なものが現れるたびに「これには専門の代書人を設けよう」という理由で一般代書人から切り離される、という歴史が繰り返されていまして、じりじりと権限を減らされながらずっと「一般代書人」であった人たちの流れを汲んでいるのが行政書士なのです。 ですから他士業とは違い、行政書士という名前も法律が作られて仕事として成立するとともに与えられた名前ではありません。特に資格がなくても思い立てばいつでも始められた「一般代書人」が、司法書士という名前のかっこよさをうらやんで勝手に名乗り始めた名前です。 大正末期から昭和初期ぐらいの、戦争の連続の中で学校教育を受ける機会が得られないまま成人してしまったような人たちがたくさんいた中で、依頼者が読めないのをいいことにいい加減な書面を書いて暴利をむさぼる代書人がたくさんいたので、一般人の方から「あいつらに箍を嵌めてくれ」という声が出始め、最初は都道府県の条例に基づく資格として制定されました。このときに、一般代書人の自称だった「行政書士」という名称が採用されています。 その後議員立法で行政書士法ができ国家資格化しますが、現在でも行政書士試験が47都道府県の知事が行政書士試験研究センターに依頼して「代行してもらう」という形で行なわれていたり、合格証書に都道府県知事の名前が載っていたり、実質的な監督官庁が都道府県庁だったりするのはその名残です。 ですのでいまでも「この書面を書くのは行政書士にしかできないことだ」という書面はなく、見下げるニュアンスで行政書士を指したいときに特に「代書屋」という言葉が使われています。 なお、テストが法律で士がつく資格に「宅地建物取引士」というのがありますが、これは元々宅地建物取引主任者という資格だったのを、その仕事の重要性に鑑みてもう少し重みを持たせるために「士」という名前に改められたもので、これは代書系列ではありません。ですから、その一番重要な仕事は不動産取引の際に重要事項を当事者に説明することであり文書を書くことではありません。
なるほど:2
代書屋というと行政書士があげられますが あくまで代書屋=手続屋という意味合いが 強いと思いますね 依頼人の変わりに申請書類を書いてくれる 代行してくれるということですが 司法書士は代書屋とは思いませんが それでも登記業を行う専門家として 代書屋という言い回しで刑事ドラマなんかで 言われたりもしてるので そこは脚本家などの主観の要素が強いでしょう
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