取締役とは、会社が持っている莫大な資産を、どんな事業に使うか、あるいは、その事業にどれほどの人員を当てるか、ということを決められる会社の偉い人たちです。つまり、莫大な資産を動かせる経済のプレイヤーです。 日本企業では、入社数十年のベテラン社員が昇格する形で就任することが多いです。中規模の会社であっても、動かせるお金は一般人が一生掛かっても集められない額に昇ります。 勿論、そんな大金を動かせる人を野放しにすれば、悪いことにお金を使ったり、自分のためだけに使ってしまうかもしれません。そこで、監査役という役職が取締役のお金の使い道をチェックするようにしました。 しかし、こちらも入社数十年のベテラン社員が昇格する形で就任することが多いため、身内(監査役に昇格した社員)が身内(取締役に昇格した社員)をチェックする形になることが殆どであるため、チェック機能がちゃんと働いていないという批判がありましたし、実際に企業不祥事が絶えませんでした。 企業不祥事が起こると金融市場が混乱するので、政府としても困ります。そこで、社外から、つまり、身内でない人を引っ張り込めば、チェック機能はちゃんと働くだろうと官僚は考えました。そして、出来たのが社外監査役制度です。つまり、官僚は法律を変え、市場を混乱させかねない大企業に社外監査役を雇うことを強制したのです。 また、日本企業は代表職を創業者一族が握っていたりするので、社員上がりの取締役は殆ど逆らえません。これだと創業者一族に有利なことだけを考え、日本経済が滅茶苦茶になるような事業を展開するかもしれません。 そこで、官僚は法律を変え、社外から創業者一族に文句を言える様な人を雇わせる方向にしたのです。社外取締役は、経済学者や元官僚、あるいは、有名な資産家が務めることが多いです。この人たちに創業者をぼこぼこにしてもらおうと言う趣旨で、社外の制度とは趣をことにします。 どちらも効能の同じ薬ですので、決定的な違いと言うものは見いだしにくいのかもしれません。役職が違うんだ、と説明しても理解しがたいところでしょう。 ただ、二つ飲めば、一つ飲むよりもより良く利いてくれるはずです。
< 質問に関する求人 >
求人の検索結果を見る
< 平日勤務で週末はリフレッシュしたい人におすすめ >
求人の検索結果を見る
< いつもと違うしごとも見てみませんか? >
求人の検索結果を見る