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UNESCOと世界遺産について。

UNESCOと世界遺産について。世界遺産を心から愛する中3です。 UNESCOで世界遺産に関わる仕事をしたいと思ったのですが、UNESCOの主な事業は教育開発だと聞きました。 その辺には興味が無いので、UNESCOで世界遺産に関わるだけの仕事をするのは可能ですか? 可能だとしたら、高校や大学で何を勉強するべきでしょうか?

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回答(1件)

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    現実的にはかなり無理です。 まず、ユネスコを含む国連機関で働きたいのであれば、外務省が実施するアソシエート・エキスパート・プログラム/国連職員採用試験に合格する必要がありますが、必ずしもユネスコへ派遣されるとは限らず(希望は出せます)、ユネスコに配属されたとしても世界遺産センター以外の部署勤務になる確率は高いです。 http://www.mofa-irc.go.jp/ http://www.unesco.emb-japan.go.jp/htm/jp/saiyou.htm そもそも前提としてユネスコを含む国連職員(staff)の雇用形態を現行制度で紹介すると、日本の公務員や企業のような終身雇用はありません。一般的に(全体の七‐八割)は、半年から二年ほど在職する「temporary appointments(一時契約)」と、五年前後の「indefinite contract(不定期契約)」。あとは管理職・専門職として長期契約される人が極少数。給与は新規雇用者で月US$5000前後、但し定期昇給・ボーナス・退職金はありません(任務中に後遺症が残る負傷があれば恩給が支給されることはあるよう)。 この他、正規のスタッフとは見做されない、各機関が個別ミッションのために直接採用する技能職「consultants(コンサルタント)」があります。就労期間はミッション終了までとなり、短かければ一ヶ月程度、長いと十年近く。コンサルタントは各国のODAや途上国支援事業(青年協力隊など)に関与した専門知識や実務経験がある人が多いです。基本給はスタッフに比べると割安ですが、実際にミッションで現地入りすると出張費や危険手当が給付されます(赴任先の多くが途上国の僻地で治安や衛生状態が悪い)。つまりスタッフはスーツを着たオフィスワーカー、コンサルタントは現場に立つフィールドワーカーといった感じでしょう。 スタッフとして働き続けたい場合は契約期限切れ前に“Curriculum Vitae(履歴書)”を提出して残留意思を示し、枠に空きがあれば延長できますが、契約更新はせいぜい二‐三回まで。基本的には他の部署や組織へ異動するか、離職するのが通例。 ちなみに世界遺産センターのスタッフは現在約百名程おり、出身地域偏重がないようバランスが取られ、各国で世界遺産への関心が高まっていることから希望者が殺到し倍率も上がっている模様。また不特定多数のコンサルタントに加え、運営を手伝うNGO関係者も複数在籍していますが、こちらはユネスコからの給与支給はなくボランティアも多いです。 スタッフになるのに有利な大学や学部・専攻というのはあまりないと思います。強いて上げれば、多様な分野の国際情勢に精通していることと、社会貢献意識の強さ。むしろコンサルタントの方が専門分野の知識を求められます(世界遺産でならば美術・建築・考古学・民俗学など)。当然ながら日常会話や書類は英語で、ユネスコ本部・世界遺産センターがパリにあることからフランス語も多用されるので対応が望まれます。 さて、無事に世界遺産センターへ潜り込めたとして、そこでの主な業務は①危機遺産を含めた全遺産のモニタリング、②世界遺産基金の運用、③次回世界遺産委員会開催準備など事務系全般。実際に世界遺産の現地へ赴くのはコンサルタントの役割。そして派遣先は危機遺産指定地が主で、文字通り危険なミッションとなります。登録審査は学術調査を請け負う諮問機関のICOMOSとIUCN、最終審査の世界遺産委員会の委員は概ね外交官で、世界遺産センター職員は進行役の裏方。なお、世界遺産センターに関与するコンサルタントは、ICOMOS・IUCNのメンバーが大半を占めます。 ではスタッフが従事する仕事はと言うと、モニタリングの例として日本を参考にすると、2010年に石見銀山がバッファーゾーンを86.77ha(東京ドーム16個半分)だけ範囲を拡大申請した際の書類の点検や熊野古道が2011年の台風で受けた被害の経過追跡など、かなり地味。各国の世界遺産保護根拠となる法令を精査する仕事では法律用語を熟知していなければならないですし、基金運用には経理的能力も必要。 現況でいうと人手が足りず事務処理が追いつかない無形文化遺産の部署であれば、世界に先駆け無形文化財制度を制定し、無形文化遺産の設立に尽力した日本人であれば歓迎されるかも知れません。また条約に基づかない記憶遺産はユネスコ職員自身が動かねばならないので(登録審査は外部委託の諮問委員会)、世界遺産に比べれば現物に接する機会は多いと思います。 それからまだお若いのでご理解頂けないかも知れませんが、世界遺産と教育は密接に繋がっています。ユネスコも世界遺産を用いた環境教育や異文化理解教育を推進しています。国内でも世界遺産登録をきっかけに郷土愛が育まれるなど、地域誌的学習にも用いられています。そして世界遺産だけが素晴らしい訳ではなく、推薦されていなかったり落選した場所(例:鎌倉)でも優れた文化や自然が残されていることは多々あり、それらも世界遺産とは別の方法で保護していく方策もユネスコは検討しており、そうした部署に就くことの方がより大きな意義があるのではないでしょうか。 最後に一言。欧米の価値観では国連職員はスキルアップ・キャリアアップの手段に過ぎませんが、日本では行政・研究機関などで国連職員だった経験値はそれほど高く評価されないので、職務明けの帰国後に再就職で苦労することが多いことも覚悟しておく必要はあります。

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