ワンオペとは「ワン・オペレーション」を略した和製英語で、店員1人ですべての業務をカバーして店舗を運営することを意味します。ただし、1人でも問題なく運営できる程度の業務量の場合は、ワンオペといわれないことが多いようです。 ワンオペは、厳しい競争を求められる企業が人件費削減を目的として始めたもので、飲食店やコンビニエンスストアなどで行なわれています。 ワンオペでは休憩が取れないことも多く、重労働・長時間労働の温床になる可能性があります。さらに、一部では店員が1人しかいない時間帯を狙った強盗を誘発するなどの問題も生じました。 なお、家族の協力なしに1人で育児・家事・介護などをこなさなければならない状況を、ワンオペ育児やワンオペ介護と呼ぶことも増えています。
ワンオペが問題になり始めたのは2014年です。大手牛丼チェーン店で日常的に行なわれていたワンオペが社会問題となり、ワンオペという言葉も広く知られるようになりました。この問題を受けて企業の意識も変わりつつあり、現在はワンオペも減ってはいますが、依然としてワンオペを続けているところもあります。また、2人体制でシフトを組んでいても、急な欠勤があるとワンオペをせざるを得ない場合もあるでしょう。
近年は労働人口の減少や価値観の多様化などから、時給を高くしても人員を確保できないケースも増えています。対策としては、外国人労働者による人員確保のほか、セルフレジの導入による省力化、深夜帯の営業中止、メニューの削減などが考えられます。 ワンオペを放置すると、離職が増えて人手不足にさらに拍車がかかるおそれもあるでしょう。人件費削減も大切ですが、ワンオペに頼らなければならないビジネスモデルにはそもそも無理があります。長期的にビジネスを継続させる視点が必要です。