折衝とは、利害関係の一致しない相手との問題解決のために、話し合いや駆け引きをして折り合いをつけることをいいます。折衝とよく似た言葉に「交渉」がありますが、話し合いや駆け引きをするという意味では同じです。 しかし、交渉はお互いが納得できる「答え」を目指していくのに対して、折衝はお互いが納得できる「妥協点」を探っていく点で異なります。 こうした折衝スキルは「折衝力」と呼ばれ、ビジネスを円滑に進めていくために必要なコミュニケーションスキルです。
折衝力が高ければ、顧客との商談もスムーズに進み、「売り手良し、買い手良し、世間良し」の三方良しが実現できます。 折衝力が求められるのは、営業職や接客業など顧客と直接話をする職種に限りません。社内で円滑に業務を進めるためにも、折衝力は必要です。つまり、折衝力はすべてのビジネスパーソンに求められる能力だといえます。
折衝力が不足していると、さまざまな弊害が生じます。例えば、強い立場の相手から無理な要求をのんでしまったり、逆に相手の要求を理解できず自分の要求を押しつけてしまったりするケースもあるでしょう。 また、話し合いがうまくいかない、トラブルに発展しやすいなど、ビジネスの不利益にもつながります。 「折衝」というと駆け引きが主体だと思うかもしれませんが、折衝力を高めるためには、まず相手の話をしっかりと聞くことが大切です。そして、相手が求めている点や譲れない点を見極めなければなりません。そのうえで、相手が妥協できるような代替案を用意して、こちらの要求をわかりやすく伝えましょう。