エンゲージメント(engagement)は「約束」「契約」を意味する英語で、ビジネスでは結び付きや関係性を表す言葉として使われます。エンゲージメントには、従業員と企業の関係性を表す「従業員エンゲージメント」と、消費者が企業に抱く印象や親密度を表す「顧客エンゲージメント」がありますが、ここでは従業員エンゲージメントについて説明します。 エンゲージメントとは、良好な職場環境を提供するよう努める企業と、企業へ貢献するために懸命に働く従業員というように、企業と従業員の結び付きを指す言葉です。お互いの目指す方向性が一致するほどエンゲージメントが高い状態にあり、従業員が成長すれば企業の業績も向上し、双方の関係性がより強化されます。
日本では、少子高齢化による労働人口の減少と働き方の多様化が同時に進み、より働きやすい環境を求めて転職する人が増加しています。 そういった状況下でも、エンゲージメントが高ければ離職を防止でき、企業の生産性も向上するでしょう。そのため、業績の良い企業ほどエンゲージメントを重要視する傾向にあります。
働きやすさ、仕事のやりがい、職場のビジョンや企業風土に共感できると、エンゲージメントは向上する傾向にあるため、企業は優秀な人材を定着させるために対策を強化しています。しかし、企業側が一方的に労働条件などを改善するだけでは、エンゲージメントは高まりません。 エンゲージメントでは、企業と従業員がお互いに信頼しあい、貢献することで成長していきます。エンゲージメントを高めるためには、経営層が正しくエンゲージメントを理解するとともに、ビジョンの明確化や風通しの良い環境づくりをすることなどが大切です。