プラットフォーム(Platform)は、日本語で「駅のホーム」「舞台」と訳されますが、ビジネスで使われる際は「ITシステムやサービスを動かす基盤」を意味します。 プラットフォームの具体例として想起されやすいのは、WindowsやmacOSなど、パソコンに組み込まれている「OS」でしょう。また、検索エンジンやECサイトなど、Webで提供されるサービス基盤の「オンラインプラットフォーム」、動画や音楽配信サービスの「コンテンツ配信プラットフォーム」なども挙げられます。
従来は異なるOS環境下の場合、ソフトウェアやアプリケーションは動かせないのが一般的でした。しかし、Javaのような仮想マシンの登場などにより、複数のOSに対応できるクロスプラットフォーム(マルチプラットフォーム)が増えています。 また、多くの企業間で「プラットフォーム戦略」が注目を集めています。プラットフォーム戦略とは、相互関係のある複数の企業から商品やサービスを集めて一つにまとめ、顧客に幅広いサービスを提供するビジネスモデルです。AmazonやFacebook、Xなど多くの成功事例があるほか、顧客の多様なニーズを満たし、自社で囲い込める特徴があります。
AppleやAmazon、Googleなどの企業がインターネット市場を独占すると、必然的に位置情報や過去の購入履歴など、多くの個人情報が収集されることになります。収集された情報は広告などのサービスに利用されていますが、ユーザーからは自分の情報がどのように利用されているのかわかりにくいものです。プライバシー保護の観点から、今後も情報の適切な取り扱いが求められるでしょう。 また、SNSを利用したフェイクニュースが世界中で増加し、日本でも対策の強化が課題となっています。フェイクニュースをはじめとした有害コンテンツを単に削除するだけでは表現や言論の自由に抵触する恐れがあります。そのため、有害コンテンツの非収益化(広告剥奪)や偽情報のラベル付けによる警告、シェアによる拡散防止(表示順位の下落など)といった対策を各プラットフォームは取り始めています。外部のファクトチェック団体やシンクタンクと連携する動きもあり、日本のプラットフォーム事業者もこれらの対策を進めていく必要があるでしょう。プラットフォーム事業者による自主的な対応だけでなく、今後は法整備など、政府による関与も必要になるかもしれません。