インフラ

インフラとは

インフラは「infrastructure」という英語を省略した言葉で、「下部構造」「基盤」と訳されます。インフラというと一般的には、人々の生活や経済に欠かせない、電気・ガス・水道・通信網・鉄道・港湾・空港・道路などを指すことが多いでしょう。広義では、役所や病院、学校などの公共施設を含む場合もあります。 また、インフラの一部である電気・ガス・水道など、日常生活を維持するために不可欠な施設は、「ライフライン」と呼ばれることも少なくありません。ほかにも、通信網は「通信インフラ」、鉄道や道路は「交通インフラ」と分類される場合もあります。

インフラの現状

インフラは生活の質を向上させ、経済発展にも大きな影響を与えます。経済の発展には、各種インフラの整備が欠かせません。 しかし、日本の多くのインフラは高度経済成長期に整備されたため現在は老朽化が進み、笹子トンネルの天井板崩落事故のような重大な事故もいくつか発生しています。今後もインフラの老朽化は進行し、安全性や機能の低下が予想されます。 私たちの生活や経済活動を維持するためには、老朽化したインフラの補修・再建などの対策が必要です。

インフラの課題

高度経済成長期に整備され、現在老朽化を迎えているインフラは多くあるため、補修などに膨大な費用がかかる点が懸念されています。しかし、多くのインフラを管理する地方自治体は財政難にあえぎ、費用の捻出が十分にできていません。 また、現在はインフラに不具合が生じたあとに対策を行なう「事後保全」が基本となっていますが、「予防保全」のほうが低コストで済むため、方針転換が急がれています。 さらに、少子高齢化の進行により労働人口が減少し、インフラの保守・点検作業員が減少することも避けられない問題です。これに対しては、デジタル技術を活用した迅速で効率的な点検・補修が求められています。 例えばドローンやAI、5Gといったデジタル技術の活用は、インフラ老朽化の把握に役立つとして注目されています。インフラの保守・点検の実務を担う企業としては、これらのデジタル技術の開発・運用に知見のあるデジタル人材の採用もしくは育成すること（内部人材のリスキリング）が重要な課題になるでしょう。