インセンティブ(incentive)は、英語で「動機付け・報奨」を意味します。ビジネスでよく使われるのは金銭的なインセンティブで、売上に応じた報奨金など仕事の成果により報酬が与えられる制度です。 しかし、インセンティブは金銭的なものに限りません。社内表彰など、金銭以外によりやる気を起こさせるものもインセンティブの一つです。 インセンティブは身近な生活でも使われています。例えば、消費者インセンティブは、試供品の提供や懸賞などによって売上アップを図る手法です。また、携帯電話の値引き販売はトレードインセンティブと呼ばれており、販売量によりリベートが支払われます。
近年、日本の企業でも従来の年功序列や終身雇用などの日本型雇用から、成果主義へ移行しつつあります。成果主義の導入により、これまで以上に優秀な人材の確保が必要です。 優秀な人材を確保するには、成果を上げれば追加報酬が受け取れるインセンティブは大きな武器となるため、近年ではインセンティブを導入する企業が増えています。
日本でも導入する企業が増えているインセンティブですが、課題もあります。例えば、インセンティブを推進しすぎると、インセンティブに直結する業務だけに目が向けられるようになり、仕事への視野が狭くなるおそれがあります。 また、個人間が切磋琢磨するのではなく、お互いを蹴落とすような意識を持つと、組織内のチームワークが悪くなり、組織にとってマイナスになるでしょう。 そうしたことが起きないように、インセンティブを導入する際は長期的なプロセスを評価したり、チームへのインセンティブも導入したりするなどの工夫が求められています。