エッセンシャルワーカー

エッセンシャルワーカーとは

エッセンシャルワーカーとは、「欠かせない・非常に重要な・本質的な」を意味する英語の「essential」と労働者を意味する「worker」を組み合わせた用語です。つまり、人々が生活するうえで欠かせない仕事を担っている労働者を指します。具体的には、医療や介護福祉・小売・物流・公務員・公共交通・電気やガスなど公共インフラのほか、農林水産業などに従事する人が含まれます。

エッセンシャルワーカーの現状

エッセンシャルワーカーが特に注目されるようになったのは、コロナ禍が始まった2020年です。 新型コロナウイルス感染症が世界中で流行し、一部地域では外出自粛や休業要請などがとられましたが、公共インフラ・スーパー・物流・病院などを止めると社会の動きも止まってしまうため、コロナ禍でも働き続ける必要がありました。 そうした状況下で、当時の首相がエッセンシャルワーカーへの感謝を表明したことなどから、エッセンシャルワーカーという言葉が注目を集め、社会へ広く浸透したとされています。

エッセンシャルワーカーの課題

エッセンシャルワーカーには次のような課題があります。 ⚫慢性的な人手不足 ⚫低待遇・低賃金 ⚫リスクが高い エッセンシャルワーカーの業務は過酷で重労働が多く、以前から慢性的な人手不足に悩まされていました。近年では人手不足を解消するため、政府や企業によりエッセンシャルワーカーを支援する取り組みが始まっています。 一方で、人手不足により業務負担が増加しているにも関わらず、多くの職種で低賃金の状況が続いています。労働時間や休日、賞与など労働条件を見直す動きも見られますが、女性や非正規雇用者も多くなかなか待遇が改善されていないのが現状です。 エッセンシャルワーカーは在宅で仕事ができず、職場で多くの人と接触しながら仕事をします。そのため、一般の職業よりも高いリスクを抱えており、コロナ禍では一部で差別的な扱いを受けたという報告もあります。政府などの支援だけでなく、私たち一人ひとりの意識も変えていく必要があるでしょう。