ダイバーシティ(Diversity)とは、英語で「多様性」を意味します。ビジネスでは、年齢・性別・学歴・職種・人種・宗教・趣味嗜好など、さまざまな属性の人々の多様性を認め、また積極的に採用していこうという考え方です。 ダイバーシティは、もともとアメリカの公民権運動や女性運動で生まれた言葉です。そこから派生して、現在では生産力・競争力を高めるための経営戦略として語られることが多くなっています。
ダイバーシティが注目されるようになったのは、近年のグローバル化、少子化による労働人口減少、価値観の多様化などが関係しています。日本は単一民族のため、今までダイバーシティが話題になることはそれほどありませんでしたが、グローバル化により日本人だけでなくさまざまな人を雇用する必要性が生じてきました。 また、女性や障害者、高齢者など多様な人材の活用により、低下した労働力を補うことも必要です。ダイバーシティの推進により多様な働き方ができるようになれば、採用力も強化されて価値観の多様化にも対応することができるでしょう。
ダイバーシティでは多様な価値観を受け入れる必要がありますが、異なる価値観が存在すれば対立することもあるでしょう。特に、ダイバーシティに慣れていない人たちにとって、受け入れは簡単ではありません。また、従来よりも意見調整が難しくなり、チームのパフォーマンスが低下する可能性もあります。 このように、ダイバーシティは単に多様な人々を採用すれば済むという問題ではなく、いかにお互いを受け入れるかが重要です。今後もグローバル化や労働人口の減少は進んでいくため、これらの課題に地道に取り組んでいく姿勢が求められています。