クラウド

クラウドとは

クラウド（cloud）とはクラウド・コンピューティングのことで、インターネットを通して、データやソフトウェアを必要に応じて利用するサービスやシステム、考え方のことです。従来は、自前の施設にサーバーなどの機器を設置し、専用のソフトウェアをインストールして利用していました。しかし、クラウドでは自前の機器が必要なく、ネットワークで提供されているサービスを必要なだけ利用することができます。 クラウドには、日本語での同音異義語「crowd」がありますが、こちらは「群衆」「大衆」を意味する言葉です。「crowd」はクラウドソーシング、クラウドファンディングなどに使われる英単語ですが、意味が違うため間違えないようにしましょう。

クラウドの現状

2020年に、総務省が行なったインターネット利用動向の調査によると、クラウドサービスを利用している企業は約7割あり、前年よりも増加しています。導入した企業の8割以上でクラウドサービスの効果を実感しているため、今後も利用が増えるでしょう。 クラウドサービスで最も多く利用されているものは、企業で使用するデータをクラウドにあるデータサーバーに保存する「ファイル保管・データ共有」です。また、コロナ禍でリモートワークが増えたことから、Web会議やグループウェアなどでもクラウドサービスを利用する企業が増えています。

クラウドの課題

クラウドサービスはインターネットに接続して利用するため、セキュリティ対策が甘いと顧客情報などが漏えいするリスクがあります。また、インターネット回線を増強しないと通信速度が低下し、業務効率が悪化する可能性もあるでしょう。 総務省が発表する「企業におけるクラウドサービスの利用動向」によれば、企業がクラウドサービスを利用しない理由として情報漏洩などのセキュリティ不安が上位に挙げられています（全体の31.8％。2019年度調査結果）。クラウドサービスの提供事業者は、過去事例などを参考に、セキュリティに関する障害・事故の防止にいっそう努める必要があるでしょう。 クラウドサービスの普及率に関しては、前述のとおり高い水準（約7割）ではありますが、ファイルの保管やデータ共有といった使い方に多くの企業がとどまっており、生産管理やプロジェクト管理、システム開発など高度な利用は多くありません。これらの高度な領域におけるクラウド利用のメリットを広く知ってもらうためにも、クラウドサービス提供事業者による啓蒙が必要かもしれません。 ほかにも、クラウドシステムはサービス事業者が提供するサービスを利用するため自由度が低く、社内で独自のシステムをすでに使用している場合は連携できないことがあります。クラウドを導入する際は、システムに互換性があるかどうかの確認も必要です。