アルゴリズムとは、計算や問題解決の手順です。IT分野では、コンピュータに処理させる一連の手順をアルゴリズムといい、通常はプログラムを介してコンピュータに実行させます。アルゴリズムには複数の種類があり、同じ問題を解く方法が1つとは限らないのが特徴です。 アルゴリズムの例として、データを規則にしたがって並べ替える「ソートアルゴリズム」、データのなかから条件に一致した値を探索する「探索アルゴリズム」などがあります。 IT分野以外では、料理のレシピや一日のスケジュールもアルゴリズムといえます。
コンピュータのプログラムはアルゴリズムをもとに作成され、普段インターネットを利用するなかで、気付かないうちに目にしています。GoogleやYouTubeの検索結果、Facebookのニュースフィードなどで活用されているAI(人工知能)も、その一例です。AIは「機械学習アルゴリズム」を利用して、コンピュータ自身がさまざまなデータを学んだものです。 また、インターネットセキュリティにもアルゴリズムが使われています。インターネット通信ではデータを盗聴されないように、複雑で強度の高い暗号が使用されていますが、こうした暗号を組み立てているのもアルゴリズムです。 このように、アルゴリズムは私たちの生活にとって必要不可欠なものといえるでしょう。
AIのもととなるアルゴリズムは人間が作成し、コンピュータに学習させるデータも人間が収集・選択しなければなりません。そこで懸念されているのが、AIが繰り返し学習するうちに人間の差別や偏見を読み取ってしまい、偏りの強い判断をする「アルゴリズムバイアス」の発生です。 AIからバイアスを取り除くには、アルゴリズムバイアスのガイドラインの整備、AIシステムの透明性を検査する体制の確立、AIシステム開発者への倫理教育を進める必要があるでしょう。