司法書士の方 司法書士になって良かったですか？ また司法書士を目指している方 司法書士になってどん…

Question

司法書士の方

司法書士になって良かったですか？

また司法書士を目指している方

司法書士になってどんな事を成し遂げたいですか？

補足

司法書士資格はもはや発展性のない資格でしょうか？

Answer 1

私は２９歳の頃に脱サラ・開業しましたが、海釣りに例えれば夜明け１時間くらい前に釣り始め、マズメ時を過ぎほとんど釣れなくなった昼前に大漁のクーラーを持って帰宅したところです（昨年足掛け３５年の司法書士業をリタイアし、現在趣味に生きています）。海釣り経験のあるお方なら分かっていただけると思いますが、そうです、私は偶然にも極めて良い時期に開業することが出来ました。
周知のとおり、今、司法書士ではなんとか食べて行ける人は上の部で、家１軒を購入し、そしてやがては必ず来る老後のための準備資金を貯めて行くこと（司法書士は国民年金ですので、老後のお金は蟻のごとく働いて現役時代から計画的に蓄えておく必要がありますね）は努力以前の極めて厳しい現状と将来と言えるのでは、と思いますね。
私は平凡な一介の司法書士に過ぎませんが、独力で自宅、事務所ビル、そしていくらかの預金も残すことができました。私のように、よい時代に開業できた司法書士仲間は金銭面においては満足できる人が珍しくないのでは、と思います。
私は司法書士以外にも複数の資格（不動産鑑定士等）を有しますが、司法書士の仕事は他の資格に比べ依頼者に直接お会いし、一見地味な仕事ですが、仕事を完了する都度素直に依頼者に感謝をされることが多く、その意味でも（私の性格にも合っていたのかもしれませんが）仕事の内容・やりがい、そして金銭面両方において私自身は十分満足できるものがあり、司法書士になって良かったと今でも素直に感謝しております。
今そしてこれからの時代、私個人の感想として、司法書士業界は未だマシなほうかもしれません（税理士、会計士、不動産鑑定士に比較して）が、仕事の内容・やりがいに満足できることはあっても金銭的に果たして司法書士になって良かったと思えるのかどうか・・・、残念ながら私自身は悲観的に考えざるを得ませんね（具体的な理由は、巷間言われているとおりなので省略します）。

補足
私見ですが私は次のように考えています。
司法書士の長所
○性格がこの職業に合っているなら登記一件（特に一般不特定多数を依頼者とする相続登記等）ごとに依頼者に笑顔で喜んでもらえることが多く素直にやりがいを感じます。私は（個人的には）誤解？を覚悟でお話すれば鑑定業務もしていましたので、特にその印象が強いのかもしれません。
○小資本で、又、事務所の場所の良し悪しを問わず（自宅ででも）個人の信用のみで依頼者のハートを掴めます（友人、知人はほとんど役に立ちませんね）。粘りと実績と多少の営業努力の積み重ねが大切ですね。
○報酬単価が比較的高いので、仕事さえあれば収入的には恵まれています。
短所
○司法書士、法曹人口の増加。それに反比例してパイは減少（人口減、オンライン申請、会社法により役員変更登記等の商業登記件数の減少、本人申請の増加等）しています。なお、増加した弁護士が登記業務を行うのは司法書士法に抵触いたしません。簡裁代理業務、多重債務対応業務は一過性？、成年後見は収入が低く、本来の司法書士業務・・・・？、といった問題点があり、更なる他分野への業務開拓の可能性、発展性は私には見えてきません・・・・・。

独立可能性のある周辺資格群を眺めてみれば
○税理士は資格者の供給過多で新規開業はほとんど無理。
○一級建築士は年間合格者数を見ても明らかなように正に掃いて捨てるほどの状態で希少性なし。
○不動産鑑定士は一般クライアントが激減、主要業務が公的評価という状態では・・・・・。
○弁理士は資格者の増加と企業減、都市集中等々・・・・・・。

以上の点を考慮すれば、独立資格としては司法書士はまだ少し恵まれている、余地がある。。。。と、言えるのかもしれません。が、もはや、どのような資格でも独立開業することはよほどの覚悟がなければ将来共、厳しい状況になっていることは違いないのかもしれませんね。一部の幸運者を除き、”資格でばら色？の世界”は少し前のよき時代のものだったのかもしれません。甚だ夢のない内容になってしまって申し訳ありません。一介の資格職業人の私見に過ぎませんので、お許し下さい。