手紙というのは全て「読む人」を想定しその人に宛てて送ります。「動物病院」という組織そのものが読むわけではありません。そういう意味では「動物病院様」ではなく宛先となる方のお名前を書くのが基本。そして特定の個人ではなく「皆様へ」という思惑で送りたいのならそのことを示す敬称を用いるのが好ましいです。 新宿歌舞伎町動物病院 職員ご一同様 新宿歌舞伎町動物病院 スタッフの皆様 この手の質問になると「新宿歌舞伎町動物病院 御中」という言い方をする人がいますが御中は間違い。「御中」というのは「中の人へ」を表す「中」に丁寧語の「御」がついたものです。 「新宿歌舞伎町動物病院 御中」とあれば、これは「新宿歌舞伎町動物病院の中の人へ=そちらの組織に所属する人なら誰でもいいから読んで下さい」ということを表しています。 複数の職員、スタッフが所属する何らかの団体に宛て、読む人を特定しない場合、誰が開封しても目的が達成出来る場合に用います。 その病院に山田さん、佐藤さん、鈴木さんの三人がいたとして「山田さんが読んだら佐藤さんと鈴木さんは読まなくてもよい」というケースでも用いるのが「御中」です。請求書のような事務的な書状なら開封してもらう個人を山田さんに限定する必要がありません。 よく「御中は企業などの団体に対する敬称」と説明されることがありますが、正確には「中の誰でもいい誰か様へ」というような意味であくまで人に対する敬称です。 年賀状や暑中見舞いのような書状の場合は「誰か一人が読んだら他の人は読まなくてもいい」というものではないので「全員宛」であることを意図した敬称を用いるのが妥当です。
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