要介護認定とは? 要介護認定は何のために必要なのでしょうか。判定方法や区分なども含めて、基礎知識をお伝えします。 ●要介護認定の基礎知識 要介護認定とは、介護保険サービスの利用希望者に対して「どのような介護が、どの程度必要か」を判定するためのものです。 65歳になると、介護保険の加入者であることを証明する「介護保険被保険者証」が交付されます。しかし、介護保険サービスは、この保険証を提示すれば受けられるものではありません。介護保険サービスの利用を考えるのであれば、まず要介護認定を受けて、「要介護 または「要支援」の判定をもらう必要があります。 ●要介護認定の判定方法 要介護認定の判定は、2つのステップで行われます。 市区町村に申し込んだ後、まず1次判定があり、その結果を受けて、医療・保険・福祉の学識経験者で構成される介護認定審査会が判定します。 ・1次判定 市区町村の担当者による聞き取り調査と主治医意見書を基に、コンピューターが介護にかかると想定される時間(要介護認定等基準時間)を推計して算出、7つのレベルに分類する。 ・2次判定 1次判定の結果をもとに、介護認定審査会が審査を行い、要介護度を判定する。 ●要介護認定の区分とは? 要介護認定は、介護を必要とする度合いによって、7つに区分されています。「要支援1~2」と「要介護1~5」です。 区分によって受けられるサービスの内容や支給限度額が変わります。 入居金0円のグループホームはこちら 要介護認定の基準 1次判定で市区町村の担当者にチェックされる項目と、各区分の目安をご紹介します。 ●要介護認定でチェックされる項目 チェック項目は次の5つに大別されています。(1)身体機能・起居動作(2)生活機能(3)認知機能(4)精神・行動障害(5)社会生活への適応――です。 (1)身体機能・起居動作 介護認定を希望する本人が、生活する上で必要な基本動作をどの程度できるか確認します。 内容は、体に麻痺しているところがないかを確認する「麻痺」、関節の動きを見る「拘縮(こうしゅく)」のほか、「寝返り」「視力」「聴力」など13項目があります。聞き取り調査を中心に、必要に応じて認定希望者に実際に体を動かしてもらったり、時には家族に話を聞いたりしてチェックします。 (2)生活機能 「食事摂取」「排尿」「上衣の着脱」「外出頻度」など、日常生活に伴う行動ができるかどうかを中心に確認します。 全室個室のグループホームはこちら (3)認知機能 「生年月日や年齢を言う」「自分の名前を言う」などの項目により、意思の伝達ができるかどうか、短期記憶できるかどうか、自分がいる場所を答えられるかなどを確認します。 (4)精神・行動障害 この項目では、過去1カ月を振り返ったときに「社会生活を送る上で不適当な行動があったか」「あった場合、頻度はどの程度だったか」を確認します。 例えば、「泣いたり、笑ったりして感情が不安定になることがあったか」「大声を出すことがあったか」などの質問に「ない」「ときどきある」「ある」のいずれかで回答します。 (5)社会生活への適応 薬の内服や金銭管理、買い物や簡単な調理といった社会生活を行う能力があるかどうかや、集団に適応することができるかどうかを調査する項目です。 ●要介護認定等基準時間 聞き取り調査を元に、コンピューターが要介護認定等基準時間の推計値を算出し、7つに分類します。 その概要は次の通りですが、「基準時間=介護サービスを受ける時間 ではありません。介護の必要性を判断するための基準、つまり物差しとして厚生労働省が設定している時間です。 なおコンピューターによる推計は、介護老人福祉施設などに入所あるいは入院している3,500人の高齢者を調査したデータが基になっています。 ・要介護認定等基準時間の分類 要支援1:要介護認定等基準時間が25分以上32分未満、またはこれに相当すると認められる状態 要支援2:要介護認定等基準時間が32分以上50分未満、またはこれに相当すると認められる状態 要介護1:要介護認定等基準時間が32分以上50分未満、またはこれに相当すると認められる状態(※時間は要支援2と同じですが、心身状態の分類が要支援2とは異なります) 要介護2:要介護認定等基準時間が50分以上70分未満、またはこれに相当すると認められる状態 要介護3:要介護認定等基準時間が70分以上90分未満、またはこれに相当すると認められる状態 要介護4:要介護認定等基準時間が90分以上110分未満、またはこれに相当すると認められる状態 要介護5:要介護認定等基準時間が110分以上、またはこれに相当すると認められる状態。 参考:厚生労働省「要介護認定はどのように行われるか」 全室個室のグループホームはこちら ●心身に関する状態の例 要介護度別に定義はないものの、区分ごとの心身の状態に関するイメージは次の通りです。 介護度が上がっても入居可能な施設はこちら ・要支援1 日常生活の基本的なことは、ほとんど自分で行うことができ、一部に介助が必要とされる状態です。適切な介護サービスを受けることによって、要介護状態になるのを予防できると考えられています。 ・要支援2 要支援1よりも、立ち上がりや歩行などの運動機能に若干の低下が見られ、介助が必要とされる状態です。要支援1と同じく適切な介護サービスを受ければ、要介護状態になるのを予防できると考えられています。 ・要介護1 自分の身の回りのことはほとんどできるものの、要支援2よりも運動機能や認知機能、思考力や理解力が低下し、部分的に介護が必要とされる状態です。 ・要介護2 要介護1よりも日常生活能力や理解力が低下し、食事や排せつなど身の回りのことについても介護が必要とされる状態です。 ・要介護3 食事や排せつなどが自分でできなくなり、ほぼ全面的に介護が必要な状態を指します。立ったり歩いたりできないことがあります。 ・要介護4 要介護3よりも動作能力が低下し、日常生活全般に介護が必要な状態です。 ・要介護5 要介護状態において、最も重度な状態です。一人で日常生活を送ることがほぼできず、食事や排せつのほか、着替え、寝返りなど、あらゆる場面で介護が必要とされます。意思の疎通も困難な状態です。 要介護認定の申請はどうすればいいの? 要介護認定はどのように申請すれば良いのでしょうか。申請方法と流れをご紹介します。 ●申請する場所 要介護認定の希望者本人が住んでいる市区町村の窓口で申請します。受付窓口の名称は市区町村によって異なるので、Webサイトや問い合わせで確認しましょう。 申請は本人、あるいは家族が行います。家族が遠方に住んでいるなどの事情で窓口に出向くのが難しい場合は、地域包括支援センター、あるいは居宅介護支援事業者に申請を代行してもらうこともできます。 ●申請に必要なもの 印鑑および次の書類等が必要です。 ・「介護保険要介護(要支援)認定申請書」 市区町村の窓口やWebサイトから入手できます。 ・「介護保険被保険者証」 本人が40歳~64歳の場合は、健康保険被保険者証を用意します。 ・「主治医の意見書」 主治医の氏名や病院名、連絡先などの必要事項を提出すれば、市区町村が主治医に意見書の作成を依頼します。主治医がいない場合は、市区町村が指定する医師の下で診察を受け、その後、申請書に医師の名前、病院名、連絡先などを記入します。 ●申請から認定までの流れ 申請から認定されるまでの流れは、次の通りです。 1)申請書、介護保険被保険者証などの必要書類を提出 受理後、介護保険資格者証を受け取ります。提出して手元になくなった介護保険被保険者証の代わりです。 2)訪問調査の日程調整 1次判定に向けて市区町村から、訪問調査の日程連絡があります。希望の日時を決めます。 3)1次判定 市区町村の担当者、あるいは委託されたケアマネジャー(介護支援専門員)が訪問による聞き取り調査を行います。市区町村から主治医に対して、意見書の作成も依頼されます。 4)2次判定 1次判定の結果、主治医の意見書、その他の必要書類により、介護認定審査会が、要介護認定区分の判定を行います。 5)認定結果の通知 申請から30日以内に、認定結果と介護保険被保険者証が郵送されます。認定の区分は、要支援・要介護の7つの分類のいずれか、もしくは非該当(自立)です。 要介護認定後の流れ。結果に納得できないときは? 要介護認定を受けると、どのようなサービスが受けられるのでしょうか。また、認定結果に納得できない場合の対処についてお伝えします。 ●要介護認定区分ごとの支給限度額 介護保険サービスを受ける場合、要介護認定の区分によって給付の限度額が決まっています。限度額を超えて利用した場合、超過分は自己負担しなければなりません。平成26年に改定後、1カ月あたりの支給限度額は、次の通りです(平成29年1月現在)。 要支援1…5,003単位 要支援2…10,473単位 要介護1…16,692単位 要介護2…19,616単位 要介護3…26,931単位 要介護4…30,806単位 要介護5…36,065単位 ※1単位は原則10円として計算しますが、地域や利用するサービスによって変わる場合があります。 つづく
超簡潔に書くとすれば、介護度とは介護にかかる手間を数値化して判定します。 だから認定調査時の質問に「できる」という答えが多ければ改善されたことになるので介護度がさがります。 介護度を増やすには「出来ない」が多くなれば介護度が上がります。 病気の重さも判定基準には入りません。たとえ末期がんで余命1月と診断されていても、調査時に「できる」が多ければ軽度と判定されます。
介護の手間がかかるかどうか。
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