解決済み
公務員試験の勉強をしています。民法(占有権)についての質問です。問.甲土地の賃借人Aの相続人Bは、Aの甲土地の他主占有を承継したが、相続の際に甲土地を自分の土地だと思って占有を開始した場合には、相続という新権原によりBの承継した占有は自主占有になる。 答.×、「相続という新権原によりBの承継した占有は自主占有になる」が誤り。 となっているのですが、①新たに相続財産を事実上支配することによって占有を開始し、②その占有に所有の意思がある場合には、被相続人が他主占有であってもそれを承継した相続人は「新たな権原」により自主占有をするに至ったというべき、と判例では示されているので答えは○かなと思いました。 答えはどうして×なのでしょうか?
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単に他主占有を相続するのみならず、相続を契機に自己固有の自主占有を開始することにより、他主占有は自主占有に転換する。 問題文の事案は、善意で他主占有を相続したにすぎず、自己固有の自主占有を開始したことをうかがわせる事情は記載されていないから、自主占有に転換したとはいえない。
おそらくですが。 Bの承継した占有は、他主占有のままなんですよ。 Bが、自分の土地だと思って占有を開始した場合は、そこから自主占有が開始するということです。 それが、時効の起算点の違いになります。 Bは、他主占有を承継しているので、死亡した被相続人が占有した期間は、時効期間に含まれません。 しかし、Bが、自分の土地だと思って占有を開始してからは、取得時効の時効期間が進行します。 つまり、この問題文の間違いは。 相続という新権原によりBの承継した占有は自主占有になる。 の「承継した」の部分になります。 正しい文章は。 相続という新権原によりBの占有は自主占有になる。 ということになると思います。 ただ、これはどの本に書いてあるわけでもなく、ただの私の推測なので、間違ってたら、すみません。
どこまで問題文や解説が厳密なのかわからないのですが、2つの考え方がありうると思います。 1 相続人が新たに事実上支配をして占有が自主占有となる場合につき、昭和46年の判例は、「新権原に因りて」と判示していますが、平成8年判例はその記載をしていません。判例が、185条により占有の性質が変更されるといっているのか、相続人が新たに事実上支配をして開始された占有が問題なのだから、実は185条が適用されるわけではなく、平成8年判例はその趣旨を明らかにしていると考えるのか、判例のとらえ方に争いがあります。したがって、「相続という新権原により」の部分が違うのだ、というのが一つの考え方です。 2 1の点を別としても、平成8年判例は、相続人が新たな事実上の支配をして占有を開始した場合について、「相続人は、独自の占有に基づく取得時効の成立を主張することができる」と言っています。したがって、この場合においては、相続人は「承継した占有」の性質が変わったという主張をするわけではないと言えます。すなわち、問題文の「Bの承継した占有は自主占有となる」の部分が誤っているのだ、というのがもう一つの考え方です。 もっとも、2の考え方は、相続人が新たな事実上の支配をして占有を開始した場合については、そもそも185条の枠組みによるわけではない、という考え方を前提としています。そうすると、結局1と2は同じことになるかもしれません。さらに言えば、解説はそのあたりをあまり厳密に特定せず、1でも2でも両方でも、この部分が誤っていることに変わりはないとして、このように書いているとも考えられます。 いずれにしても、この部分が誤っているのは上のような理由です。
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