労働基準法の残業時間60時間上限の計算方法ですが週40時間を超えた平日の時間外労働時間と法定外勤務時間と法定勤務時間との…

Question

労働基準法の残業時間60時間上限の計算方法ですが週40時間を超えた平日の時間外労働時間と法定外勤務時間と法定勤務時間との関係が良くわかりません。

Answer 1

労働基準法の残業時間60時間上限は
所定の労働日に法定の1日8時間、週40時間を超えて労働した時間です
36協定により締結される残業時間ですから（特例条項適用の場合です）
労働者単位や会社単位ではなく事業場単位です
例えば同じ会社で週の半分をA工場、半分をB工場で働く場合
A,B其々の36協定が適用され、残業時間は通算されません
「平日の時間外労働時間」ではなく「法定外休日」も含みます
週休2日制のでは、法定休日と法定外休日に分かれ
法定休日は法上の、週1日与える必要が有る為の休日ですが
法定外休日は1日8時間労働の場合、5日で法定の40時間に達する為
公休日としたものですから
法定外休日の労働させた場合は残業として扱われます
つまり、残業時間60時間上限の算定となるのは
同一の事業場で所定の労働日と法定外休日に
「法定勤務時間」の1日8時間、週40時間を超えて働いた時間の総和です

「法定外勤務時間」は、残業と同様に
「法定の1日8時間、週40時間を超えて労働した時間」ですが
「残業時間60時間上限」は、所定の労働日の超過時間のみの算定で
「休日労働」は含まれていません
「法定外勤務時間」は、休日労働を含めた超過時間です
これは、36協定とは関係なく、
労働者個人の労働時間の限界に使われます
この場合、上記の様な同じ会社で事業場を変えた場合でも通算され
単月100時間、複数月平均80時間が限界時間です

「残業時間60時間上限」と書かれていますが
正確な残業時間の上限は、月45時間、年間360時間です
特例条項を用いた場合、年間720時間が上限となりますから
平均して「残業時間60時間」の誤解になってしまいますが
月45時間を超えて残業出来る月数は6か月以内です
繁忙月の6か月の上限は、単月100時間、複数月平均80時間が上限で
他の6か月は、月45時間以下に抑える必要があり
年間の総和で720時間以内に抑える必要があるので
年間を通じて月60時間とする事は違法になります

特例条項を用いた場合の残業時間の限界は
単月100時間、複数月平均80時間ですが
これには上記の様に休日労働の時間は含まれていません
その為、「法定外勤務時間」の個人の労働時間の限界があり
個人の労働時間の限界も
単月100時間、複数月平均80時間ですから
「残業時間の限界」と「法定労働時間の限界」の
両方の要件を満たさなければ違法となります

Answer 2

例外もありますが、原則の法定労働時間は1日8時間、1週間4０時間です

（勤務時間ではなく労働時間です
勤務時間は休憩も含めた始業から終業までの時間ですが、休憩時間を除いた労働時間で考えます）

例えば1日の所定労働時間(就業規則等で決まっている労働時間)が8時間であれば、残業はすべて8時間を超えることになるので時間外労働になります（法定労働時間を超えたものが時間外労働といいます）

一方、所定労働時間が7時間30分のときは、8時間までは法定労働時間内なので7時間30分～8時間の間はいわゆる「残業」ではありますが時間外労働ではありません。さらに残業をして8時間を超えたらそれからが時間外労働です

日曜日が週の始まり
土日が休日
法定休日は日曜日
1日の所定労働時間７時間
と仮定します

（日）法定休日
（月）７時間＋２時間（法定内8時間、時間外1時間）
（火）７時間＋３時間（法定内8時間、時間外２時間）
（水）７時間
（木）７時間
（金）７時間＋１時間（法定内８時間）
（土）法定外休日 6時間労働

月～金で日ごとに見た場合、時間外労働は各日の合計3時間です。
法定労働時間内の労働は38時間なので、土曜日に出勤して6時間労働したら38＋６＝44時間になります
1週間40時間までが法定労働時間なのでこれを超える4時間分は時間外労働になります
この週の時間外労働は3時間＋4時間＝7時間になります