イレギュラーな事態があまりにも多いのが忙しさの原因。 例えばなんだけど…。 ある休日の真夜中に「芸能人の〇〇さんが暴力事件を起こして逮捕された!」とか情報が入ってきたとするじゃん。そうしたら速攻で「雑誌の次号に載せる予定だった芸能人さんのインタビュー記事」を削除して別の記事を作らにゃならんじゃん。事件は日時を選んでくれねえのよ。出版業界人の休日にも遠慮なく襲ってくんのよ。 それを休日返上の働きでなんとか乗り越えて、さあ代休をとるぞ…ってなったとき「〇〇会社が倒産した!」って情報入ったするじゃん。そしたら広告ページのみならず不動産情報からグルメ情報に至るまで「その会社にちょっとでも関係のある記事」は総とっかえよ。バイトスタッフに頼んで人海戦術で訂正したとしても、バイトスタッフの指示は正社員がなんとかせにゃならんでしょ。 それを不眠不休の働きでなんとか間に合わせて、さあ代休をとるぞ…ってなったとき「政変が起きた!」と情報入ったとするじゃん。そしたら速攻で永田町に向かわにゃならんじゃん。「俺代休だから」とか言えんよ。だって雑誌読者は一刻も早いニュースを待ってんだから。政変レベルの重要ごとをバイトスタッフに任せるわけにいかないし、適切に取材できるスタッフを促成栽培できるでなし。 それも不眠不休の働きでなんとか間に合わせたとして、さあ代休を取るぞ…ってなったとき「作家の〇〇さんの原稿が半分も上がってきてねえ!」と情報入ってくるじゃん。そしたは速攻で先生のもとに向かって状況を聞いて対応策を考えなくちゃならんじゃん。バイトスタッフに代わりに行ってもらうとかできんよ。バイトスタッフが先生の作品や進捗状況を把握できてるわけでなし。 それも不眠不休の働きでなんとか間に合わせたとして、さあ代休を取るぞ…てなったとき、「印刷所から上がってきた見本刷りの陰影が真っ黒に潰れちまってんぞ」と情報入ってくるじゃん。そしたら速攻で印刷所に電話して原因がこっちかそっちか確認して、印刷所に車出して刷り直しの立ち合いに出にゃならんじゃん。そのへんのバイトスタッフに代わりに行ってもらうとかできんよ。印刷品質の判断とか、バイト数カ月ですぐ身につくものじゃないんだから。 つまるところ、「専門性が高くて代替要員を手配しにくい」のに「イレギュラーな事態が多すぎる」のが忙しさの元凶なんだな。イメージ的には原始時代の狩人よ。いつ大型動物に襲われるか分からず、小型動物がうまく捕獲できなければ夜を徹して足りないぶんを捕まえなくてはならず…。 あと、出版業界人には「読者に対して誠実を果たしたい」という思いがあり、それがよくも悪くも休み取りにくくしている原因でもある。政変が起きて一刻も早く情報を伝えるべき時に「俺今日代休だから永田町行かねえ。次号に間に合わんて?知らんわ。白紙でも載せとけ」とか言えない人が多い…。ツライ。
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