ジブリや京アニ、IGなどの正社員が多いアニメーションの制作会社はある程度同じ人が、毎回作っているので作風は同じように成り…

Question

ジブリや京アニ、IGなどの正社員が多いアニメーションの制作会社はある程度同じ人が、毎回作っているので作風は同じように成り立っていると思いますが、逆に監督や作監から原画まで雇ってアニメを作る制作会社がありますよね
あれって全部、契約で雇っているならどの制作会社でも同じじゃないんですか？制作会社ってどのような関係があるんですか？
その人材を雇えるようなお金があるかですか？
また契約雇用が多いなかでも少しだけいる正社員が有能だからですか？
全くわからないので教えて下さい

Answer 1

まず質問の前提が重大な誤解に基づいていると思います。

＞ジブリや京アニ、IGなど（中略）ある程度同じ人が、毎回作っている
京アニだけは特別で、仰るとおり固定の人材で制作を行っています。

ですが、京アニグループと、エイケン（サザエさんを作っているところ）を除いた全てのアニメーション制作会社が、あなたの思うような「社員の同じメンバーで作っている」のとは全く異なり、作品ごとにフリーランスのスタッフを集め直す方式で制作を行っています。
たとえジブリであってもそうです。
ジブリ作品のクレジットから、アニメーターの名前をピックアップして検索してみてください。もちろんジブリ作品を中心に活動されている人も多少は居ますが、多くがジブリ以外の仕事のほうが多いフリーランスであることに気づけると思います。
風立ちぬを単独で作画監督した高坂さんですら、マッドハウスに席を置くフリーランスのアニメーターです。
I.G.もそうでしょう。ハイキューの監督満仲勧さん、翠星のガルガンティアの監督村田和也さん、PSYCHO-PASSの監督塩谷直義さん、黒子のバスケの監督多田俊介さん…数えてみればみなI.Gの社員ではなくフリーランスです。

有名な話だと、ボンズという制作会社は社員のアニメーターは1人しか居ません。

＞契約で雇っているならどの制作会社でも同じじゃないんですか
何か誤解されているようですが……

アニメ制作においてアニメーターは、スポーツチームの選手のようなものだと思ってください。（だから現場のトップを"監督"と呼ぶのです）
スポーツチームがシーズンごとに、チームの戦略にあった優秀な選手と契約するのと同じように、
アニメ制作会社は、作品ごとに、その作品で力を発揮する優秀なスタッフと契約を交わします。

スポーツチームが、優秀な選手の奪い合いをするのと同じように、アニメ制作会社同士で優秀なアニメーターを奪い合うことは毎日のように起こっています。
また、同じスポーツでもチームごとにカラーがあるように、制作会社にもカラーがあるわけです。

そういった事情ですから、むしろ優秀なスタッフほど正社員契約を嫌がるのです。
野球でFAを取ると、複数チームの奪い合いになって年俸が一気に跳ね上がることがあるのはご存知ですか。
アニメーターも正社員なら固定給でずっとその給料のままですが、フリーランスであれば（自分を指名してくれる制作会社が複数あるならば）契約金をつり上げることができます。

……逆に、どこの会社からも使われないような下手くそな人は、給料を安定させたいので正社員になりたいかもしれませんが、逆に制作会社からしてみればそんな腕前の人を社員として雇いたくはありません。

では制作会社が何かというと、スポーツチームにおけるフロントのような役割ということになります。
制作進行はスカウトですね。
優秀な選手を、他チームに先駆けて交渉し、うまく契約を取り付けることができるかが問われます。

あくまで現場で力を振るうのはフリーランスのスタッフです。しかし、そのスタッフを呼んできて理想的な環境で働いて貰うよう支えるのが制作会社です。
もちろんそれにもノウハウがあって、力量差が出ます。そこが制作会社ごとのカラーの違い、実力の違いに繋がっていくわけです。

Answer 2

京アニはどうなのか知りませんが、私が最初に入った会社は契約社員という形でしたよ。
社保は有りませんが、稼げなくても毎月最低限のお給料は補償される固定給は有りました。
たまにボーナスも出ました。

アニメ業界では社員と言っても、社保の無い契約社員が殆どですよ。

その制作会社を代表するようなごく一部の監督やアニメーターが正社員になったという話は聞きます。

殆どが外のスタッフ、正社員も契約社員も抱えない形で作ってる会社は、上手いスタッフを繋ぐ為に毎月月給が出る拘束、半拘束という形を取ってます。

これは辞める時に書類の提出の必要がある契約社員とも違い、殆どが書類も要らない口約束だけでも成り立ち、会社の都合でいつでも止められる便利な制度です。

作品の予算や会社の規模で、拘束の金額も拘束される人数も変わります。

予算の無い作品で小さい会社なんかは、作品のメインスタッフである監督や助監督、キャラデやメインの作画監督等ごく一部の人達を拘束するだけで、他の作画監督や原画は出来高だったりします。

予算に応じて拘束の金額や人数が増えるという感じです。
だから予算が潤沢な作品は上手いスタッフが揃う傾向が有ります。