解決済み
解除と第三者の保護について教えてください宅建の権利関係の過去問です。 AはBに甲建物を売却し、AからBに対する所有権移転登記がなされた。AB間の売買契約の解除と第三者との関係に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば正しいものはどれか。 AがAB間の売買契約を適法に解除したが、AからBに対する甲建物の所有権移転登記を抹消する前に、Bが甲建物をFに賃貸し引渡しも終えた場合、Aは、適法な解除後に設定されたこの賃借権の消滅をFに主張できる。 誤り 解説は『解除後の第三者と解除権者は対抗関係に立つので、対抗要件を先に備えた方が保護される。FはAよりも先に建物の引渡を受けているため、AはFに対して解除による賃借権消滅を主張できない』となっています。 ここで疑問ですが、建物は不動産ですよね。不動産の対抗要件は登記だと思うのですが引渡でもよいのですか? まだ宅建の学習を始めたばかりで混乱しております。
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>不動産の対抗要件は登記だと思うのですが引渡でもよいのですか? 不動産の物権変動、例えば所有権の移転なら登記が対抗要件です(177条)。 しかし、問題文では、Fは建物の所有権を取得したのではなく(物権変動はなく)、建物の賃借権という債権を取得しただけです。なので、建物の物権変動とは別に、不動産賃借権の対抗要件を検討する必要があります。 不動産賃借権の対抗要件は、民法上は605条の登記ですが、賃貸人の協力が必要なため実際にはあまり利用されていません。そこで、借地借家法が、建物の賃借権については「建物の引渡し」を対抗要件としています。なので、Fは、建物の引渡を先に受けていれば、建物賃借権をAに対抗でき、逆にAは解除による賃借の消滅をFに対抗できません。 以上から、設問選択肢は誤りとなります。
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