LPガスの大型ローリーで、「高圧ガス移動監視者講習修了証」と「高圧ガス製造保安責任者」が必要な会社があるようなのですが、…

Question

LPガスの大型ローリーで、「高圧ガス移動監視者講習修了証」と「高圧ガス製造保安責任者」が必要な会社があるようなのですが、「高圧ガス製造保安責任者」はどの種類の資格が必要となりますか？

Answer 1

お疲れ様です。ミスター高圧ガスと申します。
ご質問がやや説明不足なので、以下のように順に説明します。

ＬＰガスの大型ローリー（ＬＰガスを３トン以上積載するものとします）を
①公道を移動する場合
②相手先で荷下ろしする場合
の２つの場合によって、必要な資格が異なってきます。さらに②は、ローリーに（１）ポンプ又は圧縮機がある場合（２）ポンプ又は圧縮機がない場合～によって必要な資格が変わってきます。

【①公道を移動する場合】
液化石油ガス保安規則第４７条第１４号に
「車両に固定した容器により、質量3,000キログラム以上の液化石油ガスを移動するときは、甲種化学責任者免状、乙種化学責任者免状、丙種化学責任者免状、甲種機械責任者免状若しくは乙種機械責任者免状の交付を受けている者又は高圧ガス保安協会が行う液化石油ガスの移動についての講習を受け、当該講習の検定に合格した者に液化石油ガスの移動について監視させること。」
とあります。

つまり、ＬＰガスの移動監視を
（ア）製造保安責任者免状の甲種化学、乙種化学、丙種化学、甲種機械又は乙種機械のいずれかを取得している人
（イ）高圧ガス保安協会の移動監視者講習修了者
のどちらの資格のある人にさせなければならないとしています。

通常は、運転する人がそのまま移動監視者となっているので、「運転免許証・大型」＋「上記（ア）または（イ）」の資格が必要となります。

【②相手先で荷下ろしする場合】
次に相手方でＬＰガスをおろす場合の資格について説明します。
（１）ローリーにポンプ又は圧縮機がある場合
ローリーそのものが「移動石製造設備」の扱いになるため、液化石油ガス保安規則第64条の規定による「（前略）甲種化学責任者免状、乙種化学責任者免状、丙種化学責任者免状、甲種機械責任者免状又は乙種機械責任者免状の交付を受けている者であつて、次項に規定する高圧ガスの製造に関する経験を有する者のうちから、保安係員に選任しなければならない。」とあり、上記の資格＋経験のある人を荷下ろしの際の監督者として選任しないといけないことになっています。

しかしながら通達において、「充てんに際し、保安係員が立ち会い監督できるようにすることが望ましいが、 輸送者側の保安係員がその事業所において受入者の事業所での充てん作業を監督できる体制（例えば、あらかじめ保安係員が指名した一定の知識、経験を有する者による充てん）と なっている場合はこの限りでない。」とあるので、保安係員がローリーのある事業所に常駐し、ドライバー兼作業者に対して監督できるような体制の事業所にあっては、必ずしもドライバー兼作業者がここでいう保安係員にならなくてもいいので、その場合は特に資格は必要ないことになります。

（２）ローリーポンプ又は圧縮機がない場合
この場合は、特段荷下ろしについての資格は必要とされていません。

以上は高圧ガス保安法に基づく説明です。
しかしながら、その会社法令によらず製造保安責任者免状のうち「特定の免状」を有する人のみを欲しがっているかもしれないので、詳しくは直接その会社に尋ねてみるのがよいでしょう。