回答受付中
【行政法】処分性について質問です。混乱しているので優しく訂正して頂きたいです。 「事案」A県立中学校の校長Bは、A県教育委員会の通達に基づき、同校教職員らに対し、式典の際に国旗掲揚・国歌斉唱をすることを内容とする職務命令を行った。 同校教員のXは、自己の思想・信条から式典の際に国旗掲揚・国歌斉唱を行うことを拒もうと考えている。 同校においては、運用指針が定められており、実際、それに従い、同命令に従わない場合は、1回目は戒告、2.3回目は減給、4回目以降は停職というように懲戒処分がなされている。 「問い」 本件職務命令は処分にあたるか。 【私の考え】 パッと問題をみた時、直感的には、 本件職務命令はX(他A校教員ら)に対し職務上の義務を命ずるものであって、直ちに個人の具体的権利を制限したり、法的地位の変動を生ずるものではないから、処分に当たらないと思いました。(試験的にはこれでいいのかなと思います) しかし、仮に内部的な(職務上の)指揮命令であったとしても、それに従わないことで、 地方自治法32条「上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。」という義務に反する結果、同法29条1項2号の「職務上の義務に違反し、又は職務を怠った」として、同条項本文により懲戒処分がなされることになります。 また、確かに、法29条1項本文は、「懲戒処分・・・することができる」として、校長の裁量によるところとされているが、 A中学校の同命令違反に対する懲戒処分の運用指針・実情からして、同命令に従わない場合、相当程度の確実さをもって、上記懲戒処分が行われる結果を招来すると考えられると思います。 とすれば、本件職務命令を受けた教職員は、本件職務命令によって、運用に基づく懲戒処分を受けるべき地位に立たされるということができ、その意味で、その法的地位に直接的な影響が生じるといえるのではないか?と思ってしまいました。 確かに、換地処分の判例とは異なり、懲戒処分の取消訴訟において事情判決がなされるなんてことはほとんど考えられませんが、 Xとしては、本件職務命令の内容自体が、(おそらく)自己の思想信条に反する違法(違憲)なものであり、本件職務命令を争うことが紛争の核心であって、 にもかかわらず、懲戒処分を受けるとわかっていながら、同命令に違反し、懲戒処分を受けるのをまってその取消訴訟をするのは国民の実効的権利救済に欠けるのではないか? ▶︎この点については、本件職務命令に処分性を認めなくとも、差止訴訟により、解決しうると書いてて思いました。 【お願い】 体感的にも結局行政内部、上司部下という組織内部の話だから違うと思うのですが、自分でも納得いかず、上手く言語化できずに困っています…。 上手く整理して頂けると助かりますm(_ _)m 思いつきでブワッと書いてるので読みにくくすみません
55閲覧
本件職務命令は学校内部で職務上の義務を形成するに過ぎず、外部性が欠ける。(仮に、教員の思想良心の自由に影響を与えるとしても、それは事実上の効果に過ぎないから、法効果性が欠ける。)。 また、懲戒処分の取消訴訟又は差止訴訟ではなく、本件職務命令の取消訴訟によらなければ、実効的な権利救済が図れないという事情も認められない。 故に、処分性は認められない。 >本件職務命令を受けた教職員は、本件職務命令によって、運用に基づく懲戒処分を受けるべき地位に立たされるということができ、 違反をしていないのに、本件職務命令が出された段階で、「懲戒処分を受けるべき地位」に立たされるはずがない。 本問では、処分性の要素のうちの外部性が問題になっているのだから、処分性を肯定したいならば、本件職務命令に外部性があるという立論をする必要がある。 後続処分との連動に着目するのは、法効果性又は直接性の論証をするとき。本問のような外部性が問題となっているときは無意味だろう。
最高裁判例(平成24年2月9日:以下「平成24年判例」)のあるところですね。 まず、ご存知だとは思いますが、処分性についての確認です。 ーーー 判例によれば「処分とは、公権力の主体たる国または公共団体の行為のうち、直接国民の権利義務を形成し、その範囲を確定することが法律によって認められているものを言う」とされています。 要は、 ① 公権力性 ② 直接具体的法効果性 が認められなければなりません。加えて、 ➂ 国民の実効的権利救済が必要な場合 に最高裁は処分性を認めて居ますね。 ーーー このうち、①公権力性については教育庁(校長)からの一方的なものですから認められるとして、②直接具体的法効果性が認められるかについて、平成24年判例は、次のように述べています。 「また,本件職務命令も,教科とともに教育課程を構成する特別活動である都立学校の儀式的行事における教育公務員としての職務の遂行の在り方に関する校長の上司としての職務上の指示を内容とするものであって,教職員個人の身分や勤務条件に係る権利義務に直接影響を及ぼすものではないから,抗告訴訟の対象となる行政処分には当たらないと解される。」 つまり、直接具体的法効果とは、「教職員個人の身分や勤務条件に係るもの」と限定しており、処分性を認めて居ません。 ーーー そして、➂国民の実効的権利救済 については、 「なお,本件職務命令の違反を理由に懲戒処分を受ける教職員としては,懲戒処分の取消訴訟等において本件通達を踏まえた本件職務命令の適法性を争い得るほか,後述のように本件に係る事情の下では事前救済の争訟方法においてもこれを争い得るのであり,本件通達及び本件職務命令の行政処分性の有無について上記のように解することについて争訟方法の観点から権利利益の救済の実効性に欠けるところがあるとはいえない。」 として、本件については明確に「国民の実効的権利救済」の必要性を否定しています。 ーーー まあ、そもそも職務命令が出た時点では、当該職員が命令違反をしているわけでもありませんから、懲戒処分という「直接具体的な法効果」は何も生じていませんからね。 そんなものは、後の取消訴訟や差止めの訴えで十分対応できるでしょ、と最高裁は言っています。
< 質問に関する求人 >
教育委員会(東京都)この条件の求人をもっと見る
求人の検索結果を見る
< いつもと違うしごとも見てみませんか? >
覆面調査に関する求人(東京都)この条件の求人をもっと見る